短編小説『ロックバラード』
私の夢は二度と叶うことがないと分かった日。
私は家で一日中泣き叫んでいた。
堅く閉ざされたドアの前で、母親は何も言わず黙って立っていた。私が泣き止む朝まで、側にいた。私が目を腫らして部屋の外に出てくると、壁にもたれかかったままスヤスヤと眠る母が居て、思わずちょっとだけ笑みがこぼれてしまった。あの日々に、私は一体何を見出せばいいのだろうか。少なくとも、まだ幼い自分にその答えはすぐに出せなかった。
フェリーは苫小牧の港へ着いた。
まだ夜も明けきれぬ冷たい北の町には、真夜中程