こん * は (淡#1)
written by 淡井蛍
初めまして、こん * は。蠱惑的小悪魔的文学美少女こと淡井蛍です。
誰かに挨拶をするとき、対面ならば時間帯が明確なので「おはよう」「こんにちは」あるいは「こんばんは」を区別することができますが、映像や文章のように挨拶がいつ受け取られるか明確でないような媒体においては、どう挨拶するのが正解なのか私にはわかりません。『Dr. スランプ アラレちゃん』には「おはこんばんちは!」なんてオールマイティな言葉が出てきますが、それを使ってしまうとじゃんけんでグーとチョキとパーを全部兼ねているあの禁じ手をあまりにも安易に繰り出してしまったときの気持ちになってしまい、小学校のクラスメイトで群を抜いてしょうもなかった遊太くんが頭にちらついてしまいますので、私はちょっと言い渋ります。彼は六年間毎日、給食の余りもの争奪戦じゃんけんで必ずあの禁じ手を出し、みんなから顰蹙を買い続けていました。あの子、死刑になったのかなぁ……。
さて、それでは紙面上でどう挨拶するのが正解なのかというと、私なりに導きだした答えは冒頭の通りになります。つまり、ワイルドカードを用います。ワイドガードとは使用したターンにおいて自分と味方が複数のポケモンを対象とする技を受けつけなくなる防御技で、特にワイルドカードとは関係ありません。そしてオブリガードはポルトガル語でありがとうのこと──みなさん、衣食住に満たされ今を大きな不自由無く生きていられる幸運に改めて感謝しましょう。
ところで、これはかなりどうでもいいことなのですが、ワイルドカードとはトランプやUNOなどのカードゲームにおいて任意のカードとしての役割を果たすことができる特別な札のことを言います。転じて、言葉を検索する際にキーワードに挟むことでそれを任意の文字に読み替えられるという特殊文字のことを差します。たとえば「トラ?プ」で検索すると「トランプ」や「トラップ」を検索したことにもなりますし、「UN?O」で検索すると「UNDO」や「UNKO」で検索したことになります。……って、美少女の私としたことが! UNKOだなんて、なんてトラップ……。今のは前言撤回、UNDOさせてくださいましね♡
とにかく、任意の文字に置き換えるワイルドカードは「?」です。つまり「こんにちは」と「こんばんは」を併せ持つ文字列は「こん??は」になります……が、しかし。これでは「おはよう」を表現することはできませんね。そこで私は、ワイルドカードの中でもさらに汎用性の高い「*」を用いることにしました。ポムポムプリンのおしりのようなこれはアスタリスクと言って、1文字以上の任意の文字列とみなされます。つまり「こん * は」と書くだけで「こんにちは」や「こんばんは」になるというわけですね。
おいおい、そうはいっても「こん * は」じゃ「おはよう」にはならないじゃないか──と思われた賢明な読者の方がおられることかと思います (ほたるんメモ:読者は馬鹿なので賢明と言えば喜ぶ。我慢して賢明という言葉を盛り込んでおこう。それから、このメモは忘れずに清書までにきちんと消しておくこと!)。しかし何も問題はありません。「おはよう」という言葉の意味を考えてみてください。「おはよう」は「お早うございます」つまり「お早い時間帯からご苦労さまです」という意味になります。このことを踏まえれば「こん * は」を「こんな朝っぱらからお前ってやつは」と解釈することができ、全ての挨拶はコンプリートされます。
なーんて書いていたら、初回の投稿にも関わらず、自己紹介を書くスペースが無くなってしまいました。一応、偉い人からは「何でも淡井さんの好きなこと書いちゃって良いよ」とお許しをいただいてはいるのですが、初回からあまりに好き勝手に筆を走らせ過ぎてしまったかもしれません。でも、私は圧倒的な美少女なのでできれば許してほしいです。許してくれますか? ありがとうございます! 次回ウィンクを注文いただければ半額にさせていただきます!
というわけで、次回の投稿では改めてきちんと自己紹介をさせていただきたく存じます。
こんどこそは。