[月記]24年11月 道中
先日、会社の同僚2人と共に旅に出た。旅先で電車移動があり1時間ほど時間を持て余したため、私はしりとりすることを提案した。もちろんただのしりとりではつまらないため、条件付きのしりとりだ。
1. テーマ縛りしりとり
使用できるワードにテーマを設けるしりとり。変則しりとり界ではもっとも有名。
テーマ:赤いもの
A「しりとりの『り』から」
B「りんご」
C「濁点外しても良い?」
A「OK!」
C「コカ・コーラ」
B「ロゴか。赤いなぁ、それは」
A「ラディッシュ」
B「赤い! ……じゃあふりかけの『ゆかり』」
C「それはどちらかというと紫では?」
B「赤じそなので」
C「また『り』か。りんご飴」
A「再利用だ……! メイプルリーフ」
B「フラミンゴ」
C「それはどちらかというとピンクでは?」
B「エビとカニをたくさん与えられているタイプのフラミンゴなので」
C「コチニール色素」
A「最強の『赤色』だ……!」
2. マジカルしりとり
マジカルバナナとしりとりの融合。前の単語から連想され、かつしりとりができる単語を出していく。大人が楽しむにはかなりほどよい難易度。しばしばウルトラCが出て盛り上がる。
A「しりとりの『り』から、好きな単語で」
B「リンボーダンス」
C「……ステップ? みたいなこと?」
A「そうそう。えーと、踏み台」
B「踏み台から連想されるもの……えーと、椅子。これはいける?」
A「良いんじゃないでしょうか」
C「スライド、とか。椅子を引く的な意味で」
A「OK. じゃあドア」
B「アンロック!」
C「……クローズ、は通る?」
A「まあ、通るでしょう。ストップ」
B「辞めさせるという意味で、ブーイング」
C「苦情、一択」
A「うるささ、で。これはけっこう良いんじゃないでしょうか」
B「囁き」
C「吉兆!」
A「これはファインプレー!」
3. 増殖しりとり
文字数縛りしりとりの亜種。文字数の制限を1文字ずつ増やしていく (語感が良いので私は勝手にこれをインクリしりとりと呼んでいる)。だんだんと考えるのに時間がかかってくるため、複数人で遊ぶ場合は協力型ゲームとしてやるのもあり。
A「理の『理』」
B「りす」
C「西瓜」
A「カマキリ」
B「リサイクル」
C「ルー……ルールブック」
A「『く』の7文字? クラシックは5文字か。音楽付けると9文字。クリスマスツリーは……8文字だわ。……あっ、クライマックス!」
B「うーん。……スポーツ観戦でどう? 『ん』で終わるか」
A「B氏脱落!」
C「『す』の8文字。スペースシャトル」
A「良いね~。ルービックキューブ!」
C「10文字か。……ブロードキャスト……ブレイクダンス……ブロックチェーン……ブレインストーミング!」
A「グリニッジ標準時……は1文字多いわ。グリーンハウスエフェクト……も1文字多いわ。グローバル企業、グローバルファンド、グローバルスタンダード!」
C「ドリームキャッチャー? 動物愛護団体? ドライビングシュミレーター!」
A「『あ』の12文字……。アーキテクチャー、アンチエイジング、アブラカタブラ、あらいぐまラスカル、アイハヴノーアイデア! 降参!」
色々なしりとりを試しているうちにすぐに時間が過ぎ去って、あっという間に目的地へと辿り着く。良い時間潰しになった。特にマジカルしりとりがかなり白熱して良かったなぁと、改札を通りながら私は電車の中での私たちの会話をもう一度思い返した。
「踏み台」「……えーと、椅子。これはいける?」
「アンロック!」「……クローズ、は通る?」「まあ、通るでしょう」
私たちは、周りから見てめちゃくちゃ馬鹿な3人組だったに違いない。