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仁義なき戦いと銀河英雄伝説


仁義なき戦いはどうにもズルいトップが小汚い策を弄して自分の保身に走る物語。
つまり仁義もクソもない戦いに若い衆が巻き込まれてしょうもない理由で死んでいく訳だ。
銀河英雄伝説はどうしようもないくらい優秀なトップが、秀才をかき集めて戦争に邁進する物語だ。
どちらも共通するのは込み入った人間関係からなる群像劇で、ハッピーエンドかビミョーって所だろうか。鉄血のオルフェンズも似たようなモノだな。
仁義では広能と武田が懲役に行って終わった。銀英伝もフワッと終わってしまった。鉄血のオルフェンズなんて言うまでもなく。

で、どう転ぶにもトップダウンで動いているのはどちらも同じく。大体は一緒だ。
なにで違いがでたのか?
二番の忠誠心じゃなかろうかと思う。いや、現物のないモノで何を言おうかって話なんだが、これは現実の社会でも言えると感じている。
現に、いつも行っている現場の方の社長は従業員がみんな辞めた。デザイン事務所の方は、先だって、元請けの一つを切ったそうだ。そこそこの収入の割を持っていたが、不義理があったとして切ったそうだ。従業員一同不安に思う所であるが、結構、前向きに物は見れている。と言うのも、向かう先のビジョンを提示しているので、不安はあまりない。
が、現場の方の社長はなんだ。特にない。

で、組織ってのは基本的に強い。結束してれば。
つまり、スタンドプレーより、チームワークを持ってした方が絶対にいい結果を生むのは火を見るよりなんとやら。
一人のできる仕事量は限られてるし、時間もない。
だから人は群れになってことをなしてきた訳だ。最たるものは国家、軍隊、会社といったものだろう。
つまるところ、人心が集まると大きいことができるんだな。ゴールデンバウム王朝末期だったとはいえ、旧王朝から全てを簒奪し得たのはその才覚もさることながら、その忠臣とその超絶優秀な部下たちの功績も大きいと思う。特にキルヒアイスの死後なんぞロイエンタール、ミッターマイヤー、オーベルシュタインの功績の大きいことこの上ない。時々、地球教とか言う余計なチョッカイをかけてきたりする迷惑この上ない団体もいるわけだが、彼らは宗教法人なので信仰の自由をとやかく言うつもりはないが、実に迷惑なのである。
新王朝の元勲となった元帥府の皆さんとその麾下の将兵、人数にしたらちょっとした国家くらいの人数いるわけだ。そりゃあ王朝の一つくらい簒奪できてしまうだろう。時々、襲撃(ウルヴァシー事件)や叛乱(ロイエンタールの乱)や暗殺未遂(キュンメル事件)などちょっとした…全体的に見ればちょっとしたアクシデントはあったものの、概ね忠誠心を疑うことはなかろう。元帥御一行が生きていればゴールデンルーヴェも安泰である。
テクノクラートを登用したり、身分や出自に問わず人事裁定を行なっているので、民衆の支持もいい感じである。果てしなく公平かつ綺麗な専制君主制度といえよう専制君主性の独裁国家が綺麗なんだから、自由惑星同盟も報われないモノだ。滅びても然りだろう。
一方、山守組は傘下にまぁまぁ強気な連中がいた訳だが。あまり結束に関して、褒められたものではない。坂井に叛旗を翻され、広能に刃向かわれ、散々な挙句、最後には引退させらる訳だ。とは言うものの、競艇場の役員になってみたり、広島ヤクザをまとめて、政治結社(笑)天政会を結成したり。広島一帯をまとめて明石組と渡り合って自分のシマを守ってみたり、昭和43年の高額納税者公示制度によると、5位になっている。人を使う能力、口車に乗せることは出来たのだろう。劇中の明石組は誰もが知る山口組である。つまるところ、日本最大のヤクザ相手に上手い事、渡り合っているので、無能ではないはずなんだな。むしろ劇中、最後まで生き延びているので有能であろう。度々、痛い目に遭って復活しているので商才もあるのだろう。出所祝いケチったり、クサイ泣きを見せたりするが、あらゆる自己保身に長けている。コレはコレで重要な才覚だろう。自己保身の才覚が最後まで生き延びるのにあらゆる策を弄するのに役立ったのは言うまでもない。なにせ終生いい思いしてたんだから。でも、口先で生きていたせいか、最後までついてきた人間もいないし、栄華も一瞬でしたね。一瞬とは言えど華やいだ時代もあったんだから。
そして、山守の嫁さんがいいキャラしてる。いや嫁はさておいてだ。
何度も映像化されて、AKBだかも舞台化したり、いろんな作品のネタにもされてる事を考えると、実は傑作なのだろう。金子信雄マジでいいキャラしてる。
個人的な意見だが、ヤクザ映画は日本残俠伝がイチオシである。任侠映画は勧善懲悪であるべきで。実録モノはみるにも気力がいるんだ。

さて、結論ですが、下の人間の忠誠心は上に立つ人間の人生を変える。

いつ現場辞めてやろうか。

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