漫書:大人プリント倶楽部
風が冷たい。
春一番が1番寒いの変だから改名した方がいい。
プリクラを撮った。
子供の頃はプリクラの雰囲気が苦手で、友達に誘われても自分だけ断ってばかりだった。
カメラが好きでよくデジカメを使っていたのもあり、お金を払って原型を留めない写真を撮る事が当時の私には理解できなかった。
大人になってからプリクラを楽しめるようになった。今でも人に誘われないと"プリクラを撮ろう"という選択肢が浮かばないし、シンプルを好む脳である私には落書きが上手に出来ないので、得意な友達に任せる。
髪型やメイク直しをして順番待ちしている時の会話とか、撮影中のわちゃわちゃしてる瞬間とか、友達がその日までの思い出も踏まえて可愛く落書きしてくれているのを横に立って見ている時間ってかけがえのない時間だ。
出てきたプリクラをみんなで分け合いっこする瞬間は、楽しい時間の終わりとこの後電車に乗って帰る事を想像して少し寂しくなる。
楽しい時間には終わりがつきもので、再び自分と向き合う日々が始まる。
今年もバレンタインの季節がやってきた。
小学4年生の頃から毎年作っているので、年が明けると何を作るかゆっくり考え始める。
中学から大学までは、クラスメイトや同じ部活の人に沢山渡していた。毎年100個近く用意する為にレシピを3種類用意していた。準備から包装まで丸1〜2日掛かる事が確定していた。完全に業者。
昔から人が好きで、家族や友達の事が大好きで、そんな周りの好きな人達に少しでも喜んでもらいたくて、自分の事を後回しにしてでもそこに全てを費やしていた。
大人になってからもまだ皆に渡したい気持ちはあるけど、それでは業者になってしまうので、本当に身近な人にだけ渡すようになった。
ここ数年は基本クッキーだけど、そろそろ他のものも作りたい。パイ生地扱ったことなくて、アップルパイ作ってみたいんだよなぁ。
最近はバレンタインの季節限定で出店している高級チョコレートを渡す人の方が増えている気もするけど、やっぱりお菓子は作りたい。
勿論高級チョコレートも食べたいので、たまに購入して自宅で少しずつ味わっている。今年は買えてないけど、その分のワクワクは来年にとっておく。
初めての街に降り立ち、初めての街並みを眺めながら歩き、初めての挑戦をして帰路に着く。
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