まんがタイムきららMAX11月号のごちうさ感想。シャロちゃんの決断と、ココアちゃんの「旅路」について
まんがタイムきららMAX11月号が発売されました。
すでにツイッターで話題になっているように、今月のごちうさは非常に大きな転機を迎えた回でしたね。
シャロちゃんとココアちゃんが高校卒業後にどんな道を行くのかのお話。進路についての話題は今までにも度々上がってきましたが、ここまで具体的なことが明らかになったのは初めてです。進路というと、やはりどうしてもごちうさの「終わり」を連想してしまいますよね。
前回のごちうさがとても賑やかで、これからますます盛り上がっていくことを予感させるようなお話だっただけに、この乱高下に戸惑っている方が多い印象です。
そこで今回は、何があったのか?を改めて振り返るとともに、二人が選んだ進路について、理解を深めていきたいと思います(注:ネタバレあり)。
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■ シャロちゃんの進路は都会の国立大学!?
まず最初に驚いたのは、シャロちゃんの進路です。今回、シャロちゃんは高校卒業後に「都会の国立大学への進学」を希望していることが明らかとなりました。
まんがタイムきらら編集部は、毎月発売前日の夜11:00に、作品紹介と題したツイートを流すことで知られています。各作品のあらすじに、冒頭4コマの画像を添付したツイートが来るわけですが、その画像でシャロちゃんが都会の大学を目指していることが判明しました。
少々話は逸れますが、シャロちゃんに関しては本編で明かされていないことがたくさんあります。高校生なのに、一人暮らし。貧乏苦学生。所持金52円。主要メンバーの割には、いろいろと謎の多い少女です。
どうして一人暮らしをしているのかとか、ご両親は今何をしているのかとか、ごちうさファンなら誰もが一度は疑問に思うことでしょう。
旅行編にて、その謎の一部が明かされます。お母さんは陶器職人で、海外の工房に勤めていることが、原作8巻8話で分かりました。娘にきちんと仕送りはしているものの、それでもシャロちゃんが貧乏なのは、シャロちゃん自身の浪費癖によるところが大きいことも描かれています。
そういうわけで、最近ようやくシャロちゃんのことが分かりかけてきましたが、肝心の進路希望については、これまでほとんどノータッチでした。なので、いつの間に決めたんだ!?というのが、正直な感想です。
また、都会に行くということは、千夜ちゃんと一緒に生まれ育った木組みの街を離れることでもあります。BLOOM第9羽「やきもち風味のカモミール」は、名作でした。千夜ちゃんは惜しまれながらも生徒会長選挙を辞退しましたし、シャロちゃん自身も「甘兎庵できらきらしている千夜を見たい」と言っていました。互いの絆を確かめ合って、ずっと一緒にいることを約束したはずの二人が、一体どうしてこうなってしまったのか。
激しく動揺する千夜ちゃん。ツイッターでも、「寂しい」と言っている人が結構いましたね。
ですが、これは非常にシャロちゃんらしい選択です。シャロちゃんが、都会の大学への進学を希望するのには、理由がありました。
進学によって一時的に街を離れることにはなるものの、将来的には千夜ちゃんの仕事をサポートするみたいです。
つまり、完全に都会に行ったきりになりたいわけじゃないんですよね。この「サポート出来る事"も"あるかな」っていうのが、素直になれないシャロちゃんらしいです。
都会に進学するのは、あくまで自分のため。けど、その選択が、結果として千夜ちゃんの仕事を助けることにもなる。シャロちゃんが街に戻ってくるのがいつになるのかは分かりませんが、二人の未来はちゃんと今も、どこかのタイミングで重なっています。
決して能天気な千夜ちゃんのことが嫌いになったわけではなく、むしろ千夜ちゃんとの将来のこともしっかり考えた上での決断だったわけですね。
甘兎庵を手伝うとなると、どんな学部があるでしょう。千夜ちゃんは経済に疎いところがありそうですから、経済学部とか。あるいは、未来の甘兎庵の社長を支える側近として、経営学を学ぶつもりかもしれません。
大学で学んだことが、仕事に直接活きることはなかったとしても、たとえば都会の美味しい喫茶店でアルバイトしながら大学に行けば、お菓子作りのノウハウを千夜ちゃんに教えることもできそうですよね。
そう考えると、この離別も、なんだか悪くないことのように思えてきました。
一時は千夜ちゃんが激しく動揺して、どうなることかと思いましたが、「やきもち風味のカモミール」で確かめた二人の絆は、健在です。頑張り屋なシャロちゃんのことですから、国立大学の難しい入試だって、きっと突破できるでしょう。二人の将来が楽しみになってきました。
■ ココアちゃんが木組みの街を離れる!?
今回のテーマは、もう一つあります。それが何を隠そう、ココアちゃんの進路。
最後の最後で、とんでもない爆弾発言が飛び出しましたね。
今一度、経緯を振り返ってみましょう。きっかけは、チノちゃんが昨晩のお泊り会について語ったことでした。ココアちゃんたちが、リゼちゃんによる二者面談を受けていたころ、一年生組も一年生組で、お泊り会をやっていたんでしたね。
料理を作っておもてなししたこと。フユちゃんと神沙姉妹の仲をボードゲームで取り持ったこと。得意げに語るチノちゃんを見て、ココアちゃんは喜びます。
そこで故意なのか、はたまたチノちゃんの元気な姿を見て安心したのか、ココアちゃんがぽろっと零した台詞というのが、「街を離れる」発言。ココアちゃんはどうやら、木組みの街を去ろうとしているようです。
あのチノちゃん大好きなココアちゃんが、チノちゃんを残して街を離れるなんて、にわかには信じがたいことです。そもそも、すぐに限界が来て、もふもふ成分を補給するんだとか何とか言いながら街にトンボ帰りしてしまう気がしますよね(笑)。
大前提として、ココアちゃんに街を離れることができるのか?という問題はあります。ですが、一時的であれ、ココアちゃんが帰省以外の理由で街を去ることにしたのは衝撃です。
一体、ココアちゃんはどんな道に進もうとしているのでしょうか?
そして、そこにはどんな理由が隠されているのか。
本項では、この2点について、ヒントとなるアニメや原作のシーンを参考にしながら考えてみたいと思います。
・街を出た後にココアちゃんが目指すのはフリーランスのパン屋?
まずココアちゃんがどんな道に進もうとしているか?ですが、これは原作にヒントが出てきます。
旅行編の最終日。帰り支度を整えて、皆がそろそろホテルのロビーを出ようかという頃。突然、ココアちゃんが「私はここに残るよ」と、意味深に言い放った場面がありました。
ひょっとすると、このときのココアちゃんは、パンの修行を続けたかったのかもしれません。一応、ココアちゃんは直後のコマで冗談だと言ってはいるものの、この雰囲気はともすれば本当に一人で残りそうな勢いです。旅行中なのに、ホテルの支配人からパンの修行を受けていたココアちゃん。ですが、修行がたった数週間の旅行中に終わるとは思えないんですよね。
もっとやりたい事はあったでしょうし、学びたいこともあったはずです。ただ、ロイヤルキャッツに戻るのが目的の全てかというと、それは違う気もします。ココアちゃんの性格を考えれば、ロイヤルキャッツは、きっかけの一つでしょう。世界にはまだまだ自分の知らないパンがあることを知りました。パンがあれば、そこには必ず作り方が存在します。その技術を、これからココアちゃんは学びに行こうとしている気がします。
いわゆる「フリーランスのパン屋」として自分の腕を磨くために、ココアちゃんは木組みの街を離れようとしているのではないでしょうか。
・モカ姉と並び立つための旅路
そして理由はというと、これはもう十中八九、「モカ姉に追いつくため」でしょう。
ココアちゃんの中で、モカ姉というのは非常に大きい存在です。まず、スタイルが抜群で、容姿端麗の美人さんですね。
コミュニケーション能力も高く、愛嬌もあって人気者。しかし、それを鼻にかけない不断の努力家でもあります。泥水のようなコーヒーを淹れても決してめげることはなく、美味しいコーヒーを淹れられるように練習を繰り返します。そういった努力の人であるせいか、スキルの幅も非常に広いです。パンを焼くのは上手だし、レジを捌くのも速い。
そのモカ姉と並び立つための途方もない旅路は、無視して一足飛びに進んでいけるほど、甘くはありません。だから、ココアちゃんはまず、「チノちゃんのお姉ちゃんになること」を最初の課題としました。
このへんのことは、劇場版「ご注文はうさぎですか?~Dear My Sister~」で分かりやすく語られています。スクーターでモカ姉に駅まで送ってもらうシーンですね。
ココア「私も、お姉ちゃんみたいに、みんなを楽しませられる人になりたいな!」
モカ「……」
ココア「お姉ちゃん?」
モカ「私になろうなんて、十年早いぞ」
ココア「うん。だからまずは、チノちゃんのお姉ちゃんになる。ちゃんとお姉ちゃんって、呼んでもらえるようになるんだ」
ですが、この課題はいまや達成しかかっています。照れ屋なチノちゃんは中々素直に「お姉ちゃん」とは呼んでくれないものの、内心ではココアちゃんのことを本当の姉のように慕っています。
ココアちゃんも、言葉の外から伝わる気持ちは感じ取っているはずで、お姉ちゃんとしての自信はそろそろついてきた頃だと思うんです。
だから、課題は実質クリア。登竜門を越えたので、次はいよいよモカ姉を本格的に追いかけようとしているのではないでしょうか。
■ まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介したのは、あくまで私見です。こういう見方もあるんだということで、自分がごちうさを楽しむための材料にしていただければ幸いです。
ごちうさは今、重要なターニングポイントを迎えています。原作がいつ終わるのかについては誰にも予想できませんが、いつ終わっても後悔がないようにしておきたいですね。
またね!