
Hide,disappear,run away
声が聞こえる
ささやき なのに響く
繰り返す
「隠れろ、消えろ、逃げろ」
そしてそれは私の秘密の名で呼びかける
数十メートル背後で小さくドアが開く音
私はするりと隠れる
言われるままに
何故?人間が危険だから?
「それもある。お前も危険な人間だし。だが、出てはいけない。見つかるな。耳目ある者がお前を見つけるまで」
誰なのか
有意識と夢の中に日々
ヒトではないだろうし
もとヒトでもないのも分かるけれど
悪いものではない
むしろ…
それを恐れるのは私の中の悪魔だった
ならば従う
音
色彩と光
動き
流れ
意味と無意味
「単純化せよ」
そしてあの日
鳥が来た
惑星の影を飛んできて疲れ果て冷え切って
私は笑った
そして影に入り
白い業を踊る
聞くまでもないことだった
また聞こえる声
Hide,dissapear,run
もう意味は分かる
道の意味
顕れることなく
そして埋もれることもなく
泳ぐ、飛ぶ、声の上を歩く
ほとんどのものを躱す
15分でも15年でも150年でも栄光は要らない
私はその光は好かない
まるで猛毒のコバルト、金の色
少し暖を取らせてもらうのみ