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南条 イオ
2023年3月18日 13:04
たまに通る団地の公園に、一本の桜の木がある。団地じたいが古いので、桜もなかなか立派な古樹だ。季節にはわざと遠回りして寄る。その四月、スーパーの帰りに通り掛かると、水銀燈に浮かび上がる夜桜の下で激しく泣いている子どもがいた。私は駆け寄りたい衝動にかられたが……(急に知らない大人が走ってきたら怯えてしまう。何気なくゆっくり行くんだ。)いかにものんきな買い物帰りに桜を見に寄った風でぶらぶ