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タバコの残り香が香る映画3選
私自身は煙草を全く吸わないのですが、煙草自体は結構好きです。
とは言え電子タバコは好きじゃない、紙煙草が好き。
蝋燭やお香も好きなので『火を灯す』所作が好き、というのもあるかもしれない。
そんな訳か、MIZUNAの描くイラストには煙草というモチーフが出てきがちです。
![](https://assets.st-note.com/img/1698879132654-lDc6xx6x5b.jpg)
ピンク色が可愛い。
多分、小道具としての煙草というモチーフが好きなんです。
あくまで嗜好品でしかない物にわざわざお金と手間を使う、
その余韻と遊びの時間に色気を感じてしまうのかもしれません。
…ってことで本題。
今回は小道具としての煙草・物語のキーとしての煙草などなど…
煙草というアイテムがアクセントに効いている映画3選を紹介していければと思います。
深夜1:00、静かな時間に煙草の香りに思いを馳せながら一人で見る映画たち。
ちなみに今回はピックアップしていないのですが、煙草の香る映画としてよく上げられる映画は
コーヒー&シガレッツ
ファイト・クラブ
グラン・トリノ
あたり。こちらもおすすめです。
でも今回はもっと違う香り方のする煙草映画を味わいたいんだ…!
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【煙草の香る映画①スワンソング 2022年】
![](https://assets.st-note.com/img/1698879132880-AWtjSYEjtC.jpg)
スワンソング : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
かつて主人公の顧客であり友であった女性の死化粧の依頼が届いたことをキッカケに、過ぎてきた人生・過去のわだかまり・忘れていた情熱など…。
これまでに生きてきた人生という旅と、死化粧のために再び地元へ向かう道程をリンクさせつつ描いているロードムービーです。
『彼女の好み』であるというMoreという煙草が映画全体のキーアイテムになっています。
本当に、物語のアクセントを担う形でこの煙草が出てくる。
色気をもって漂う煙草の香り、というよりも古木と化粧品のむせ返るパウダリーな香りの中、しっかり鼻を衝く煙草の灰の香り。という印象でした。
空間差配やニュアンスとしての煙草、ではなく一仕事道具として煙草というアイテムが自立して描かれています。
映画自体もとても良い映画なのでおススメです。
人と喧嘩するのも道を違うのも生きているから出来る事。
そんな人間同士のイザコザも人生の”終演”間際には過ぎた一場面としてただ流れていくものね、とふと思うのでした。
今回ピックした3選の中では一番カジュアルに見やすいです。
【煙草の香る映画②シンドラーのリスト 1994年】
![](https://assets.st-note.com/img/1698879132610-KMKiPFE9O7.jpg)
シンドラーのリスト : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
煙草というテーマでこの映画を上げるかは凄く悩んだのですが…今だからピックしておく映画ではないか?というのもありまして。
ナチスからユダヤ人を救った実在の人物であるオスカー・シンドラーを描いた映画です。
スピルバーグ監督ってE.Tとかジュラシックパーク的なワクドキファンタジー!みたいなものからこの映画みたいなヘビーな物まで作れるのふり幅広すぎるな…。
映画自体が超名作。人生のうちに必ず見た方がいい名作映画をピックするならトップ3に入れます。
が、如何せん描写がキツイ&3時間越えという超大作なのでメンタル弱っているときや一人でグルグル考え混んじゃう期には見ない方がいいかもしれない。
多分尚更メンタル弱る。
でも生きているうちに必ず見てほしい作品なのです。
3時間ある中で煙草は全体的に小道具として散りばめられてきます。
冒頭10分、ジャズに乗せて漂うアルコールと乾いた紙幣と煙草の香り。
中盤、血と硝煙と機械油に滲む煙草の香り。
リストと共に写される、シガレットケースに入った煙草たち。
急いでリストを打ち込む最中に漂うむせ返るほどの煙草の煙。
煙草の香りが物語の進み具合で変わってくる映画です。
『This pin , two people.』
『One more person.』
この金のピン1つを売ればあと2人救えたかもしれない、いや、1人でも救えたはず。
終盤のこの言葉から滲み出る、有象無象ではない1つの命に対する重み。
…やっぱり諍い多き今だからこそ一度見ておいた方が良い作品です。弱ってないときにぜひ。
【煙草の香る映画③ふたりの人魚 2001年】
![](https://assets.st-note.com/img/1698879132629-469VESlG2F.jpg)
ふたりの人魚 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
最後にピックアップするのは完全にニュアンスとして煙草がほんのり漂う映画です。
実は中国・ドイツ・日本の3国合作作品。
舞台は上海・蘇州川。とある瓜二つの女性を巡る不思議な物語です。
どちらかというと考えるな、感じろ!な映画。私は大好きなテイストです。
かつての中国の街中はこの映画に出てくるような空気をまだ少し纏っていたような気がします。
今の上海はデカくて綺麗でキラッキラした都会なので、映画のような風景を見る事はできないかなー。
レトロフィルムのようなざらついた質感の映像と色味も個人的に超好み。
全体的にはたくさん煙草は登場しません。
終盤の主人公たち3~4人の人生が交わり複雑に絡んでくる場面で登場する煙草が印象的なのでピックアップしました。
少しのカビ臭さと川沿いの街特有の湿った匂い。
大雨の日の湿気た空気に一筋だけ漂う乾いた煙草の煙。
全体的に水気のある空気の中で唯一の乾いた空気を煙草の香りと主に感じられる、そんな物語です。
コーヒーの香りや砂っぽい乾いた香り、香水や化粧品の香りと共に描かれる煙草は珍しくないのですが、
ここまでシケシケに湿気た空気と共に香らせてくる煙草の描写は珍しいなと思ったのです。
しかもいい匂いとは程遠いと思う。
香港ノアールとも違う、少し退廃的なアジアの空気を味わいたいときにおすすめの映画です。
そんなこんなでMIZUNAが個人的に選ぶ煙草の香る映画を紹介してきました。
この場面はどんな香りの空気なのだろう、と思いを馳せたり妄想したりしながら映画を見るのが好きなので楽しかった…!
多分次映画の話をするときはクリスマスに見たい映画の話を書くと思います。
そもそも次回から暫くは角度と品を変えながらず~~~っとクリスマスの話をする事になりそうです…クリスマス大好きなのでお付き合いいただければ。
【next scene / PM23:00 クリスマスを探して】