くそ小噺 稲と八重郎
とある村に八重郎という男がいた。
八重郎は畑仕事に精を出すことは決してなかった。周囲の村人が稲を収穫している時も、それを手伝うことをしなかった。
その村では毎年採れた稲の一部を護り神様の祠へ供えることを慣しとしている。
しかし、今年は凶作であり村の人間が食べていける最低限の量しか採集できず御供えが行えなかったのである。
村の人間は、
ぐぬう!八重郎が手伝っていれば収穫量が増え、護り神様に御供えすることができた。あいつがサボっていたせいじゃ!
と怒りをあらわにしていた。
そしてそのうちの一人である権三が、文句を言いに八重郎の住む家に向かった。
ばっかもん!お前が手伝わなかったから稲の収穫量が落ちたんじゃ!!だから御供えができなかった。どうしてくれるんだ!
それに対し、八重郎は
いや俺が手伝わなくても収穫量は変わんねえだろ。そもそも毎年御供えしているのに今年凶作だったんだろ?護り神仕事してねえじゃん。それに御供えする理由ってどこにあるんだよ。
というかお前ら稲稲言ってるけどさ、別に一定量を村人に与える必要なんて無いだろ。食べ物とかはちょっと車走らせて近くのコンビニで買えばいいだろ。今だとAmazonとかで食料品買うこともできるのになんでそこまで稲にこだわってんだよ。
というか俺ここでリモートワークしてんの。なんでここの村の住人ってだけで稲の収穫手伝うことになってんだよ。そうやって昔の慣わし引き継いでるだけで生産性なんも上がってないだろ。他の地域と離されてるのわかってねえだろ。わかってんのか?あ?
と言葉を放った。
権三は顔を真っ赤にし発言した。
ばっかもん!!!護り神様を侮辱されるとは!!絶対に許さない!神の裁きを与えてやろう。お前はまだ知らんかもしれんが、この村には呪いの儀式が存在する。それを使えば…
その瞬間、何者かが背後から権三を掴み上げた。
い…磯治郎!?
ふぅ…儀式の話は本当にあったんだな。詳しく話を聞かせてもらおう。
…おい八重郎。やっと必要なデータが揃いそうだ。よくやった。
ああ。これで儀式の謎が解ければ、行方不明になった俺の妹も……。 さあ権三さん。全て吐いてもらいますよ。
その瞬間、権三はニヤリと笑い、顎を大きく開けた。
へっ…へへっ。亞邪鬼神様、ばんざあぁい!!!
そう叫ぶと同時に権三は勢い良く奥歯を噛み締め、その瞬間権三の身体は爆発した。
くっ…既に体内に爆弾を仕掛けられていたか。…八重郎。奴等は思った以上に手段を選ばないかもしれない。
…その通りのようだな。
八重郎はペンダントの中を開く。そこには、今はない笑顔の家族の写真があった。
…絶対に、お前を突き止めてやる。
…クソ親父!!!
おまけ実話
今日豆柴カフェに寄った。おててペロペロしてくれるワンちゃんもいるんだけど、自分の左手はペロペロしてくれるのに右手は一切ペロペロしてくれないの。犬の嗅覚は人間より鋭いっていうけど、そのレベルで何か違ったんだろうかと思いました。ワンワン〜w
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