新入社員が考えたデスゲームを講評する課長　みずのーとvol.48

2021新入社員　マジカル・ハート

タイトル：猛毒迷路

概要：迷路になっている部屋に猛毒をもつヘビを大量投入する。無事逃げることができたらゲームクリア。中にはワクチンも設置する。この際、参加人数よりワクチンの数は減らす。

講評　田上

猛毒に侵されるかもしれないという焦燥感と、なかなか出口に辿り着けない迷路を組み合わせるという発想は評価できる。救済処置としてのワクチンを奪い合う展開も想像し易い。

問題点を挙げるならば、まず一点が通過人数の推測が難しいというところ。極論だが参加者全員がクリアする可能性とあれば、逆に参加者全員が死亡する可能性もある。この次に別のゲームが開催されるとして、そのゲームの参加人数が指定される場合、どうしても合わせにくいのが難点。

また、ヘビに関係する問題も見過ごせない。まず単純に設置が難しい。入口と出口付近のヘビが、扉の開閉と同時に他の部屋に逃げ出してしまう可能性も考えられる。その場合、開催者が猛毒に侵されてしまうというリスクも存在する。あと何だお前の名前。マジカル・ハートて。学生時代はその名前でデスゲームを開催していたのか。自分で考えたのかその名前は。気に入ってるとしても報告書に書くな。

2021新入社員　稲田

タイトル：爆弾解除ゲーム

概要：部屋に強力な爆弾を置く。爆弾は正しい暗号を入れれば解除され、部屋に爆弾を解除するヒントとなるものを設置する。制限時間を設定し、その時間が過ぎても爆弾は爆発する。

講評　田上

あーまたこういうタイプか。新入社員に多いのよねこういうの。まずこれさ、全員生還か全員死亡しかないじゃん？このゲーム単体ならいいんだけどうちの会社さどんどん人減らして最後のゲーム残った人が生き返れるってスタンスじゃん？それに沿ってないわけよ。まあせめて1人ずつ別の部屋に入ってやってもらうって感じならわからんでもないんだけど。でもそもそも問題なのが爆弾の火力なんよ。無理なの。何がって？都合よく部屋だけ爆発させるような火力設定。やりすぎたら開催場所全てが爆発して俺たちが死ぬ。それはまだいいのよ。よくないけど。微妙な爆破で普通に生きてるやんってなったら面目丸潰れなの。会社のブランドイメージ下がるの。あと株価も下がるの。そんなことになったら上からの罰で俺たちが参加者になっちまう。とにかくこういうのはダメです。覚えといて。

2021新入社員　村野

タイトル：脱出げーむ

概要：四方八方が炎に包まれた部屋で鎌を持った死神が襲いかかる。さらにどんどん薄くなる空気、低くなる天井。お腹を空かせたライオンの群れ。全ての災難が襲いかかる。この部屋から出る方法は、ない。

講評　田上

ない。じゃないのよ。

死ぬじゃんこれ。何これ怖っ。殺意しかないじゃん。オーバーキルもいいところだよ。あのさこれ生還ルートあるの？ないよね。これさ、デスゲームじゃなくてデスなのよ。これ開催されたら強制終了じゃん。せめてどうやったらクリアするか教えてくれない？あとさこれ、誰が死神役やるの？そいつも死ぬじゃん。ってかこの条件なら死神いらねえだろ。お腹を空かせたライオンもっといらねえけどさ。ただの死を待つ可哀想なライオンなのよ。あと思ったけどさ、そりゃ炎撒いてるんだから空気は薄くなるよねって話だわ。いやこの条件なら空気は気にしなくていいのよ。炎と天井が強すぎる。何なの？救いはないの？やば。出世しないで欲しい君。

2021新入社員　西倉

タイトル：ワンワンパニック

概要：デスゲームなんかよりワンちゃんと遊んだらいいと思う。

講評　田上

なんかそんな気がしてきたわ。俺も普通の建設業に入社したはずなのに、社長が変わってからデスゲーム専門の建設会社となって、気がついたら俺たちがゲームを作ってた。なんでこんなことしてるんだろうな。

はぁ…田舎に帰ってソーダ水でも飲みてえよ…