みずのーとvol.10『HANAKOさん』
快適な生活
朝起きたら、メイドロボのHANAKOさんがスクランブルエッグと特製サラダを作ってくれる。
私が朝ご飯を食べている間に、HANAKOさんは部屋の掃除をしてくれている。
朝ご飯を食べたら、HANAKOさんはその日に合った着替えを持ってきて着替えさせてくれる。
そのまま目を瞑っていれば、HANAKOさんがその日に合った化粧をしてくれる。
今日は、友達とお出かけする日。
「そういえば今日どこに行くんだっけ〜」
「全く決めてないや笑。HANAKOさんに決めて貰えばよくない?」
「そうだね!いやぁ便利な時代になったな。一家に一台HANAKOさんがいるだけで、全て最適なプランを提示してくれるんだもん。」
路線図
11:20 A駅に出発
11:32 B駅から乗り換え
最短ルート 最安ルート
「ねーぇ!この服とこの服、どっちがいいかな???」
「えー!悩むなぁ…あ、アプリからHANAKOさんに繋いで決めて貰えば良くない?」
「そっか!……こっちの服か!向こうのも捨てがたいんだけどなぁ」
「HANAKOさんが言うならそれが正しいでしょ。」
「そだね!これくださーい!」
レストラン
「やば!このセット少し高いから普段の私なら絶対選ばなかったけど、めちゃ美味しい!」
「だね!私も言われた通りデザートつけてみたけどこんな美味しいなんて知らなかった!」
「そういえば…前告白されたとか言ってたやつ、どうなったの?」
「あー、正直顔が好みじゃないからやめとこうと思ってたんだけど。でも付き合った方が良いって言われたから付き合ってみたんだよね。そしたら話も合って、顔もそんなに気にならなくなったからよかった!!」
「えー、良いなぁ。私は仲良い人や気になる男の人は結構いるんだけど、どの人もやめとけって出てくるから付き合えないや。高校さ、ロクな男いないのかな。」
「まぁHANAKOさんにやめとけって言われたら止めるのが正解だよ笑。いつか良い人出会えるといいね!」
…
「そういや進路希望提出した?」
「うんうん。HANAKOさんに見てもらったけど、私は大学に行かないで就職かな。ここから少し遠くの所に引っ越しすることになりそう」
「えーそうなの!?やだ!さみしい。でもそう言われてるならそれが正解なのかもね……。」
「うんうん!また休みの日とか時間あれば会いに行くよ!!」
「やった!ありがと…ん、ライン来た……え!??」
「ど、どうしたの…???」
「私の彼氏から急に別れようって来たんだけど!!?は!?」
「え!!?なんで!?HANAKOさんから合ってるって言われてたんだよね!?」
「あぁ…彼HANAKOさん使ってないんだよ。たまにいるんだよね。持ってなかったり、言うこと聞かない人。あーあ…このまま私と付き合ってた方が幸せなの確定だったのに、彼も馬鹿だなぁ……」
「あぁ…使ってないんだ。だから間違った行動に出ちゃうんだ…こう、時代に逆らってますよ(笑)みたいな。」
「それそれwww はぁでもショックだわ…。まぁいいや、また良い人見つけてもらおーっと。」
「それそれ!今の時代HANAKOさんの言う通りにするのが当たり前なんだから、遅れてる人なんて相手にしない方がいいよ笑笑」
「それそれ! にしてもなんでHANAKOさんこんな便利なのに、日本にしかないんだろ。世界中で出せばもっと会社も儲けると思うのに」
「確かに…まだ準備が出来てないのかな?まぁよくわからないけど、それならより日本に生まれて良かったなー! ところで次どこ行くか見てもらわない?…」
…
……
「…はい。こちら株式会社……」
「あぁ、日本語で大丈夫ですよ。私もそれなりには話せますので。…」
「わかりました。では次はそのようにプログラミングしておきますね。」
「はい…はい。ありがとうございます。ではまた請求書送りますね。よろしくお願いします。」
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