ブータンからウェルビーイングを考える。 Part3
ブータンの若者100人に聞きました!
「あなたは今、幸せですか?」
ずっと聞いてみたかった。
「ブータンの人たちは本当に幸せなの???」
疑っていた答えが、ついに出た!
10代と20代の若者100人にアンケートに答えてもらった。
「あなたは今、幸せですか?」
その答えは…
なんと、96人の若者が「幸せ」と答えてくれた! (2017年)
悲しい結果にならなくて、本当によかった…!
もちろん、ブータンが「幸せの国」として有名になっている以上、「ここは幸せって答えなきゃいけないかも」と、日本的忖度をしてくれた可能性は無きにしもあらず(笑)
(逆に残り4人の正直に「幸せじゃない」って答えた人の理由が気になる方は、最後のおまけで書いています)
ちなみに、2017年から3年間、別の100人にアンケートを取り続けているけれど、「幸せ」と答えてくれる人の数はそう変わらない。
ということで、ブータンの若者に「今、幸せですか?」と質問すれば、90%以上の人が「幸せ」と答えてくれることは間違いない!
次の質問「どんな時に幸せを感じますか?」という質問に対する答えも、ブータンぽいなぁって思う。
Qどんな時に幸せを感じますか?
日本の学生に同じ質問をした時には、圧倒的に「家族や友達といる時」が多かった。
けれども、ブータンの若者41%にとって、幸せを感じる時は、自分ではなく「誰か」の幸せを感じる時。これは、面白いなぁと感じた。
誰かを笑顔にしたり、誰かのためになるようなことをしたりすることが、自分の幸せに繋がる。
これは、「現世での自分の行いは来世での自分に必ず返ってくる」ことを信じているブータン人ならではの考えじゃないかと思う。
この輪廻の教えは、チベット仏教に基づいているんだと思うけれど、ブータンでは宗教と日常生活が深く結びついているだけあって、その教えが人々の心に深く根付いているんだなあと感じる。
ブータンの人たちは何を祈るのか?
ブータンに行くと、日常的に人々がお祈りしている姿をどこでも見ることができる。マニ車を回したり、お寺に行ったり、ルンタというカラフルな旗をはためかせたり…
しかもそれは、自分のためではなく、誰かのためにお祈りしていることが多いという。
これも本当か確かめたくて、若者100人アンケートで「いつも何をお祈りしているのか?」と聞いてみた。
すると、一番多かった回答が、
「すべての生き物の幸せを祈っている」だった…。
もはや10代にして、祈ることが僧レベル!
本当に徳が高い…。
そういう背景もあり、ブータンに行くと必ずと言っていいほど、優しい人々の心からのおもてなしに限りなく出会う。
ガイドさん、運転手さん、宿の人、街の人、お店の人、農家の人…。
どこに行っても心が温まる「おもてなし」を受ける。
特に、観光から離れて学校に行って一緒に授業を受けたり、一般家庭でホームステイをした時のおもてなし度には、一緒に行った学生が毎年深く感動している。
だから、ブータンは「行った人を幸せにしてくれる国」。
これは、間違いなく言える。
私たちが幸せな気分になれば、それをサポートしたブータンの人たちの幸福感も上がる。
日本的には私もまたブータンで感じた幸せを、誰かにおすそ分けしたいって思える。
こんな風に、幸せのキャッチボールが広がっていったらいいなって思う。
以下、今日のおまけです。
Qブータンが「幸せの国」と言われていることについて、どう思いますか?
自分の国をこうやって誇りに思えることも、「幸せ」と感じる理由の一つなのかも。
ちなみに、「幸せな国とは思わない」や「今、幸せじゃない」って答えた人の理由は、「他の国のように発展していないから」だった。
ある意味、若者らしい。そう思う子もいて当然だ。
自分の国を誇りに思い、大好きな一方で、“発展した”外国や都会への憧れを強く持つ若者はとても多い。
次回は、これに関連して「幸せの国ブータンの不都合な真実」について書こうと思います。
※ちなみに、このアンケートは首都ティンプーを中心にとったものなので、少し離れたカントリーサイドでとったら、また違う結果になるかもしれません。
しかも、超個人的なものに近く、全く学術的ではありません。悪しからず。。。
なお、ブータンの公用語は英語です。
アンケートは英語で用意し、英語で答えてもらっています。