どろぼうに入られた日のこと。
どろぼうに入られた。
数年前のことだけど。
実家の、2階にあった私の部屋から入られた。
窓が開いていたのだ。
真昼間の2時くらいだった。
ちょうど、家の人はみんな外出していて家にいなかった。
私は犬の散歩をしていた。
家に帰ったら、漫画みたいに家の廊下に足跡がついていて、どろぼうに入られた、と気づいた。
家は荒らされた形跡はなく、物も取られたわけでもなく、(取られるような物がなかった、というのが正しいかもしれないけれど)
母親のへそくりで、現金の入っていた封筒だけがなくなっていた。
短時間でこんな的確に…。
空き巣の手口に感心する。
とにかく警察に電話をした。
しばらくして、警察官と鑑識さん?みたいな人がやってきた。
指紋を取られたり、写真を撮られたりした。
侵入先は2階の私の部屋っぽい、という母親の情報の元、警察官と鑑識の人が向かう。
ちょっと待て。
今、私の部屋は相当に汚い。
ちょうどタイ旅行から帰ってきたばかりで、スーツケースは開けっぴろげ
お土産も洗濯物も放り出し、それこそ、足の踏み場もなかった。
でも、彼らを制止することはできず、汚い私の部屋に入っていく。
出ていた下着だけ見つけて、ささっと手にとって後ろ手に隠すものの、
鑑識さんは容赦無く、バッシャバッシャと私の汚い部屋の写真を撮っていく。
恥ずかしすぎる。逃げ出したい。
違うんです、こんなに汚いのはたまたまなんです、と言いたい。
そして、鑑識さんが口を開いた。
「いや〜、えらい荒らされましたねえ。かわいそうに。」
・・・
私「は、はい…」
すみません。あの時のどろぼうさん。
私は、あなたに部屋を荒らした罪をなすりつけました…。
今、白状します。