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【詩のようなもの6編】珠玉
【珠玉】
取れない疲労感
夢も久しく見ていないくらい
眠りは浅く続く
失くしたものは沢山ある
でも覚えているのは
沢山ということだけ
一つ一つを掘り出せない心の焦げが
妙に凝り固まったまま
部屋の残り香として漂う
でもそれが僕にとっての珠玉で
これからの道筋を作る要素
痛々しいのは重々承知
その上で茨の道が通り道
取れない場所に実る
夢の果実に身も心もつられて
疲れを忘れて
自分を忘れて
戸を開けて
珠玉になるであろう
しがない1日をまた作る
【播い】
どんな活動も略して流行って
人を求めて撒播
日常生活に欠かせない
朝活 昼活 夜活
もはやお馴染みの言葉
オタ活 推し活
心潤すため必要で大事
涙活 呆活
活の字さえあれば万事オッケー
そんな気もするくらい
単純な活動語録
僕はどんな生活しよう
他にどんな活動してるだろう
楽しければどんな生活も
広がっていくんだろうな
好きが人を形作る
それは今も昔も続いてる
確かな人の営みだね
【儲け話】
不運が糧になる
気づけば儲けが出る
それは幸か不幸か
今の僕には解らない
信じる者が儲ける
話題に上がる新天地
好転反応に眩み
儲けた分だけ
飛び級の如く
資本主義の一環で廻る
徒然草を読んで
昔の自分が今何してるか
ふと気になっても
もう会うことは無い
何と引き換えに得た?
そう問われても
結局今も昔も解らず
今は今の花が見える
景色を見たいから
それを楽しみに
儲けた分だけ種を撒く
そんな平坦な暮らしに
誰が何を憂うのだろう
誰が何を想うのだろう
【浩然】
肋骨が浮き出てきた
それは初めての体験
それほど衰弱してることに
自分で気付けなかったことが
ショックだったりする
鏡を見ればより強調され
体幹も左に曲がってて
そういえば肩凝りも酷くなってた
浩然の気を養って初めて気付く
心は若く体は老いていること
何が大切かなんて
ここまで来ても断言出来ないのが
自分らしいなと笑える
海の広さをふと思い出して
ショックだったことすら忘れて
性懲りも無くそんな自分も
人生の年表に組み込んだ方が
味があると受け入れる
また暫くして見た目も中身も
変わっていくだろうけど
今度はショックを受けるより
大きな器を構えて
ゆったりしていられたらいいな
【相縁】
「古いものが好き」
そう語るあなたが新鮮で輝かしい
技術不足 人手不足
そう叫ばれる昨今
あなたの暮らし方に出逢えて
足るを知れた
情緒纏綿だと言いたくなるほど
大事な人に
日本の四季に
衣食住に
慈しみながら時間と縁を重ねてる
こんな人もいるんだ
止まらない僕の関心は唸りっぱなし
この縁が愛おしい
多岐亡羊が増えた社会に
こんな暮らしは憧憬する
明日急須でも買って
自分でお茶を淹れてみようかな
【摯実】
夏のひと段落
夏の初めに買ったサンダルの
汚れと踵の擦り減り具合で
君と行動した時間が目に見える
浮華だらけの君は
真面目と言われしまう僕に
良いコトより悪いコトばかり
教えてくれた
夏の終わり
垣間見えた君の本音は
出会った中で一番
摯実な言葉と表情だった
終わったことだから
本音が迸るけど
なんだかんだで楽しかった
この先夏が過ぎたこの時期だけ
馬鹿になれた自分と
君の摯実が過ぎる
そして秋の始まり
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最後まで読んでくれてありがとうございました。
直接的な表現、拙い表現、
フィクションを脚色した表現が多く
自分の力量の未熟さが際立ちますが
単純に楽しいので続けられてます。
読んでくれたり、フォローしてくれた方
ありがとうございます。
また気が向いたら読んでくれると嬉しいです。
水宮 青