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【詩のようなもの6編】ハッピーマイノート
【ハッピーマイノート】
温もりより翳りを好む
12歳の頭の中
ボクに必要なのは
目先の生活に適応すること
なのに今の暮らしぶりは
その逆なのだから情け無い
まだ健康が何よりとは
悟れるほど賢くないから
夜更かし三昧 暴飲暴食
乱れた一期一会が刺激的
暇と暇の合間に記した
ボクを示したマイノート
日記でもなく
詩のようなものでもなく
イラストでもない
乱雑な構成の言葉
「ハッピーとハッピー」
生まれるのはちょっと大きい
誰かに向けたハッピー
「ボクのアンハッピーと
キミのアンハッピー」
生まれるのはちょっと優しい
互いに向けたハッピー
そうなればいいな
そうありたいな
そんな雰囲気で締め括られた
無意識のカタチ
12歳の時の無知で愚かな
僕のハッピーマイノート
【懐かしい恥ずかしさ】
犬も食わない恥は
脛の痛みを煽るように
脳みそで増幅
次元が変われば
脛どころか心臓が破裂しそう
懐かしい恥ずかしさを纏った
生きた証の作品群
穴よりも布団に入りたい
大声で掻き消したくなる
でも麻痺した心地良さも
実はあったりする
猫と自分がずっと寄り添い
お互い癒されているような
そんなイメージの快楽が
懐かしい恥ずかしさの中に
隠れているのかも
懐かしい恥ずかしさを知らない
ハロウィンもクリスマスも
僕には憧れであり
同時に忌避したいもの
物々しい言葉ばかり
使いがちの自分には
ボロい部屋が身近なスペース
今は今で
犬のションベンよりマシな
恥ずかしさ纏う散文を記す
恥ずかしいと気付く前に
【大それた一言】
信じるものが欲しくて
当たり障りないひとことを
そっと添えてみる
いつからか慣れて
荒唐無稽の弁が立ち
付け足しの他人事が際立つ
埋没する言葉の街では
大言壮語の一言が
浮いては沈むのリピート
いつまでもそのままじゃ
何も始まらないけど
背中押す一言が見つからない
挫けて首曲げて背中曲げて
「迂闊なハッピーエンド」
それだけは避けるように
今が続くように
大それた一言から始める
【いつもと違う答え】
「何処へ行くの」
何度聞かれようと答えは同じ
先行する純情に
いつか追いつく羞恥
強いられる我慢に潜む
拭いきれない喪失感
難しい問題は山積み
海に行こうと山に行こうと
その場限りの引き延ばし
後から気付く免罪符の多さに
複雑な心境になる自分の卑しさ
もう見るのは嫌なその表情
喉の下が痛くなるのは
もう懲り懲り
いつかは死に追いつかれる
朝を迎える回数もあと何回か
そう思えたなら
まだ先の後悔が追いつく前に
ほとばしる決意
「明日はどうする」
その問いに対する返答は
いつもと違う答え
飾り気のないクリスマス
浮かべる笑みの意味は
どっちだろう
【間接的に】
身近で遠い
知り合いの知り合い
きっと私の知らないところで
私の話をしている
間接的に笑われて
間接的に中傷されて
いてもいなくてもいい程度
私も別の誰かには
そうしてしまってる
冬を満喫する準備
夏を後悔しない準備
その時々の面子は
笑って泣いて怒って
出会って別れ
間接的に笑われて
間接的に中傷されて
いてもいなくてもいい程度
【世間知らずになりたい】
世間知らずになりたい
世間知らずになりたい
変に利口になりかけてる
知らなくていいことに
心が動揺して削られていく
幽霊のように生きたい
いてもいなくてもいいように
でも夏には思い出すような
薄い存在
壮大で利己的な夢が時間と共に
利他的な存在に変わる
そう信じて
今はただ孤独に
と、こんな風に人から遠ざかる
遠ざかろうとする僕は
すでに世間知らず
井の中の蛙だったりする
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最後まで読んでくれてありがとうございました。
水宮 青