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【詩のようなもの6編】 映画のように


【映画のように】

自分が主役
この映画のようなストーリー
回る時計の針を自分の行動で刻む

時に川のように流れる
良いこと悪いこと
時に逆らい時に身を任せ
成りたかった自分に出逢い直す

あなたと言葉を交わし
終わらない一コマに心を込めて
夢が現実 現実が次の未来
キラキラ光る窓越しの朝陽

花開いては萎んでいく
シナリオ通りには行かない
あの映画と同じ脳みその奥
木漏れ日を浴びる前頭葉
あの映画のように
回る風に次の灯が
新しい自分と手を繋ぐ

【去る者は追わず】

去る者は追わず
追えば貴方は不幸の道 
悪し様なり

去る者は追わず
逢えない事を悲観せず
敢えないのも一興
口幅ったいのは百も承知
一期一会は瀬踏みと知れ

去る者は追わず
落としどころは自分の心一つ
仮初の愛のようなもの
潮時に見える遣らずの雨

去る者は追わず
追えば貴方は不幸の道 
悪し様なり

【胃袋と青春】

スマホの餌食になりながら
伝う常識に僕の胃袋疲れ気味
意味のない日常を飲み込んで

ミニマリズムに傾倒する一方で
無制限に積んでいく書籍
無駄を均す為の取捨選択
青春の逡巡に浸りたい

実績が権威を型取り
それを振るう人に
僕の胃袋疲れ気味
意味のない日常を飲み込んで

常識と権威は持った瞬間から
緩やかに大胆に腐っていく一方で
襷をかけるように人から人へ
回転寿司のように人から人へ
胃袋の中は青春と共に溶けていく

【躁転流転】

氷塊にヒビ入るように
人生の変わり目に流れ
要領よくいかない自転
バランスの取れない心模様
所詮は刹那的
全て滅びる前提であるなら
曖昧なまま今日が美しいと
思い込むところから
モノクロの花も色付いていく
躁転流転 虚実皮膜

【悉く】

裸一貫 いつでもそうありたいけど
悉く醜いプライドが僕を包む

抗いたいものほど
努力だけでは敵わなくて
大きい数字と他方の噂話に
悉く心乱されている昨今

裸一貫 いつでもそうありたいけど
悉く重見天日とは程遠く
暮れの侘しさと共に夜道を歩く

【基本型】

疎かに今を過ごしたツケが
回り回り真ん前で立ち塞ぐ

もう一度一から学びたいなぁ
ぼんやり思うだけで
今となってはそれも難しく
多事多難の合間を享受

基本に立ち返る
原型に回帰する
軌道修正する術はないまま
今できることを考えている

積み重ねたものが無いから
剥き出し 野晒し 愚かしい
基本に忠実な僕のノート



最後まで読んでくれてありがとうございました。

水宮 青