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【詩のようなもの6編】7月、決別

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【7月、決別】

知ったかぶり 空振り
今日も今日とて激しく後悔
白旗振り 首振り
後の祭りは眩暈から始まる

言い過ぎても口から出たことは
消すことも上書きも出来ず
冷たく暑い7月が滴るだけ

厚かましい自分が鏡を嫌い
くだらない昨日が頭に焼き付き
語らない貴方が眩しく見える

でしゃばり 目立ちたがり
決別が出来てなかった自分
一人から二人 二人から一人
その過程を知って以人為鑑

鏡に見えない自分と決別する7月

【夏霞】

一瞬だった
でも確かにあった夏霞

続いてた夕立ちも終わり
七夕が目前

始まったばかりの夏の空
今日だけの特別な幻

揺れる心 明日に目が奪われる
でもそれが心地良く

気づく頃には夏の果て 蝉の声
晴れた空気に纏った夏霞
秋が目前

【各様】

纏まらない心模様
夏の暑さより人の頑固さに
身を粉にする日々

寝苦しさが朝方の顔つきに
目に見えて現れる
殴られた様な顔 引き攣った顔

金縛りは三日三晩
怒鳴り声より啜り泣きが響く
抜け毛だらけの枕元

早朝のアラームに怯えて
天気は雨を願い逆さまの坊主
許しを乞うように目を閉じる

金と健康のバランスを取れず
頓珍漢な答弁を構成しては
頭の中は全てを忘れたがり

明日を遠くへ棄てたくて
各人各様で何も無い世界へ
壊れかけの心を傾ける

【他意】

他意がない
解がない

退屈な世界
内側に内接

ミスリードは緩やかに
チェンジは突然に

旬を過ぎた心に残る濁り
思春期の記憶だけ残り
逡巡しては居た堪れない日照り

向き合えなかった自分を
大声出して払拭した気で
一先ず流す

でもそれを見られてまた
恥ずかしさが積まれる
他意はないと言われても
その気遣いが穴に入る語り口

他意がない
愛がない

偏屈な世界
外側に外接

【ミス】

平穏に慣れてミスをする
怖いのはその先
そのミスが誰かの怒りに繋がる
それが嫌なんだ

白々しい溜め息が圧力
痛々しいミスがミスを呼び
肩に乗る負の連鎖

布団の上が天国
外に出ることが地獄
向けられた怒りは舌に乗り
消えないキズを作る

ミスは頭を縛り
平穏とは遠い暮らし
笑うことない無表情な顔

感謝の声は直ぐに消え
罵倒だけは身を蝕んだまま
夢うつつ 今日を捨てる

【失う若さ】

ホネを前にして
カネは意味がない

若さを感じなければ
老いには向き合えない

施しを受けていたのに
善し悪しが分からなくなる
馬鹿な僕

優しさを知っているのに
悲しさが染み付いている
綺麗な君

どっちつかず 持ちつ持たれつ
両方に寄らないバランス感覚
フラットな目線が世界を変える
まだまだ先の話

若さ失い価値も意味もないけど
そんな時代への序章ぐらいは
お目にかかりたい
そう思いながら目先の欲に
手を伸ばし生きながらえる

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最後まで読んでくれてありがとう。

水宮 青