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【詩のようなもの6編】日替わりセンセーション
【日替わりセンセーション】
秀逸な問題点 解決を模索
次から次へ舞い込む種火
封の出来ない幻想と現実
日替わりセンセーション
唐突な出会い 事後を報告
人から人へ飛び交う言葉
あられもない八方美人
日替わりセンセーション
開幕する事のない祭典
ニュース見る目は進展
でも今一番気になるのは
床のキズをどうするか
狡猾な策略 何かを見切る
過去から未来へ繋げられず
目の前の峠を越える事で精一杯
日替わりセンセーション
【考え続けても】
陽が沈み手を合わせて祈る
何気ない動作で慈しむ
でも生きる意味も
生きた意味もずっと判らない
息が止まれば灰になる
何気ない視線が心を刻む
でも死する意味も
死んだ先もずっと判らない
死ぬ瞬間に答えが判るかも
そう仮定して今暫く考え続けている
考え続けても意味がない
それでも考え続けていくことで
答えは出ないということを知り
また手を合わせる
昨日より少し長く痛みながら
【宝のない家の中で】
退屈の集まりがシケた嵐を呼び
滞りない埃の舞が棚の上で踊る
何の汚れかもう分からない
黄ばんだ壁に耳あり障子に目あり
進まない時計の針が鳴り響き
破れかけてるカレンダーを
慣れた悲劇が眩しく魅せる
宝のない家の中で
座った椅子の感触も
久しぶりのエアコンの使用も
大したことでもないのに
随分はっきりと覚えてて
難しい言葉を並べても
全ての人に等しく
寛解する筈もなく
窓越しに雲の流れを追う
何事もないように
何も考えないように
宝のない家の中で
【整理整頓】
ふと天の言う通りに
ゴミだらけの引き出しを開けて
続く迷走を加速させる
左手が繋いだ夢のある話は
運気がだだ下がりの予兆
溜息に欠伸で上書き
納まらない自分の身なりが
急に気になりだして
生き様とかいう言葉に溺れて
募る忙しなさに酔っていく
畳の上で転がったところで
部屋の景色は変わらず
空想が回想に変わるだけ
微笑みのある人に惹かれて
肌荒れした肌を嫌になり
病まない恨まないつもりが
少し苦笑いでよろける
今日はそんな日
【9時間】
今日は半袖で過ごせる時間が
9時間らしいから
熱中症を回避するために
部屋を換気して冷気を呼ぶ準備
食卓に並べた皿数も9品
取った睡眠時間も9時間
そんな些細な偶然は脳を固め
9にまつわる共通項探し
あぁ9といえば誕生月だ
なんとなく縁起が良い気もする
外に出たら車のナンバーも
9ばかり目について
9時間の半袖時間は夜へ向かう
夜の9時は終わりのひと時
誰にも邪魔されない至福
潤いと酔いを求める時間
明日は1足して10を知りたい
【パステルカラー】
少し前は嫌ってたのに
今じゃパーソナルな部分を
パステルカラーのスマホが
ボクを表している
針の穴が通らないことで
荒い鼻息が更に加速して
衰えた部分は更に明確
双方が掲げる女神像は
パステルカラーを纏い
恥じる場所が時代で変わる
悲壮はキミが叫ばなくても
テクノロジーが解決するらしい
だけど
それもままならないなら
夢の中で溶けかける時を
パステルカラーな青嵐へ向かおう
パステルカラーのスマホが
ゆっくりと偏屈な異世界に
ボクもキミも没入させていく
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見てくれてありがとうございました。
他の詩のようなものも良かったらぜひ。
水宮 青