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今春一番。小春日和の鷹ノ巣山から奥多摩駅へ。

2025.2.15
奥多摩とは。
奥秩父を源流とする東西に流れ海にまで注ぐ。多摩川の上流に位置する奥多摩湖、すなわち小河内ダムを挟んで、大きくは北は奥秩父山地、南は奥多摩主脈、広義には奥秩父。東京都・埼玉県、山梨県、長野県にまたがる秩父多摩甲斐国立公園の東部に位置する。

分かりやすい図を拝借。

http://yabonokai.com/jouhou/okutama/okutama.htm

と、調べてみるとややこしいのだけど、要はJR青梅線界隈、終点の奥多摩駅から日帰りで登れる初心者向けの山域として紹介されるが、とんでもない。

奥多摩の山々は多摩川の流れに削られた急峻な山々が多くあり、登山口からいきなり急登が始まる、体力的に選ぶ山を間違えると初心者はいきなり正念場を迎えることになると思う。

ちょうど1年前、奥多摩の山々を歩いたその一座に鷹ノ巣山があり、その時は雪も多くて辺りは真っ白、全く眺望のきかない視界の中で山頂を見た。
そんなこともあって、もう一度お天気の良い日に鷹ノ巣山が心残りであった。

という事で、またこの日もジョンコナー隊長とこの鷹ノ巣山を行く。奥多摩湖からのアプローチは2種類あり、奥多摩湖の畔にある倉戸口バス停からと、少しズルをして峰谷バス停。前回と同様に少しズルをした峰谷から始める。1〜2kmほど短くなる。
鷹ノ巣山山頂を経由して石尾根を伝いそして奥多摩駅へ下る17km、登り1371m下り1617mのロングルート。

ここから始まる。

朝はいつもの寒さは少し取れていて、なんとなく春も近いのかな、と感じさせる。
そして今日の奥多摩駅はそんなに混んでいない。ゆるゆるとバス停に並んでも全然座れてしまうくらいで、終点の峰谷に到着する頃にはもう数名しか残っていなかった。

小さな氷瀑を発見。


ズルをしたからと言っても峰谷からの取り付きは相変わらず急峻。しばらくは急坂の舗装道と近道の古道を行き来しながら、登山口を目指す。
山肌に張り付く様にぽつぽつと民家があり、ここの暮らしを想像しながら眺めたりもする。

木漏れ日は暖かい。


だいたい尾根までの取り付きは胸突き八丁の様な急坂が続く。浅間神社に至り、ようやく登山道らしい雰囲気になる。もうすでにここまでで、1時間登って来ている。振り返ると随分登って来たな~となるが、まだこれからである。

浅間神社。
ここはもうお世話する人が居なさそうで。


そこから鷹ノ巣山避難小屋までの2時間は特にこれといったポイントはない。隊長とああだこうだと言いながら、ただひたすら登るだけ。だけどお天気は最高に良い。暖かい。

ああだこうだとは、しんどいなぁや暑いなぁとか急過ぎとか配慮がないなぁみたいな事である。

泡泡。泡の様な雪が。


途中からは雪が残り始めて、でもチェーンスパイクなどはギリギリ必要がないくらいでトラバースルートでは慎重に歩いていく。もうこの辺かな?と思っても、雪景色だった去年とは景色も違い、初めての道を歩く様な感覚になる。

鷹ノ巣山避難小屋。去年は凍えながらここでお昼を食べた。
味のある地図看板。
ポカポカで過ごしやすい。

ようやく長かった登りの道も避難小屋まで来た。
青空の元、風も穏やか、寒いとちょっと休憩もお座なりになるけど、こんなに過ごしやすいと一服もし易くなって、上着も必要ない、春を感じさせる身軽な感じがとても気持ち良い。

山頂までの道のり。
陽当たりの悪い箇所は雪が残る。
今日1番の富士。


東京都最高峰、雲取山。

さて、ここから最後の登り、鷹ノ巣山山頂を目指す。去年は真っ白の中を雪混じりの風に顔を歪めながら、足先がかじかむ中、じっと耐えながら登ったので、景色は分からなかったが、青空の元、奥秩父の山々、雲取山の避難小屋の屋根がキラッとして、少し開けると富士がどどーんと今日1番の姿を、そして奥多摩の山々と丹沢の山々までスッキリと映える。

でも、こんなに登りって長かったっけ~などと言いながら。辛いものは辛い。

鷹ノ巣山山頂標と二等三角点。
東京都の山頂標は大理石で立派である。


山頂。1734m。
穏やか。広く開けた山頂には何人かがすでにお昼ごはんを食べている。いろいろ儀式を済ませて、ごはんの用意。
風は緩やかで柔らかい陽射し。山頂で、景色を眺めながら、ゆっくりと座って、ごはんを頂く。なんて、とても久しぶりの感じがする。

ここのところ毎週、富士山は綺麗に見えている。

もうぼちぼち山頂ビールも出来ますねぇ など、あぁ春が待ち遠しい。。。でも、まだ雪山も歩きたい気持ちもあり葛藤するのである。

ここからは地味な山頂標が続く。
あんな所に案内票が。


行程を確認して、時間の余裕を確認して、13時過ぎに下山、というか奥多摩駅を目指して歩を進める。ここからがまた長い。4時間は歩かなければいけないだろう。

山の北面には雪が残り南面はもう雪はない。北面のトラバースは滑りそうで怖いけど、慎重にいけば大丈夫。ズボラに歩かなければ滑ったりはしなさそう。あまりにも氷地帯が続く様ならチェーンスパイクを出すところだけど、なんとかが大丈夫そう。フラットフッティングの練習と称して歩く。

石尾根。多少落差の大きな下りはあるけど、基本はのほほんと歩ける気持ちの良い山歩きが続く。スポットとしては、将門馬場という将門が馬術の稽古に励んだ場所。らしい。う~ん、こんな高所で。。1455mである。

将門馬場。

特に何があるわけではない。小さな看板が2つあるくらい。縦走路からは少し外れていて、見逃しかける。グイッと登り返して看板を見つける。正直そこまでするほどの所ではない。けど、何となく覚えやすい名前に少し親しみを感じていた。

雪山みたい。
もうちょっと、もうちょっと。


16時半も過ぎると何となく夕方の雰囲気が漂う。だいぶん麓の方に下って来たけど、杉林に入るとその高い樹木は空を覆い隠して辺りをさらに暗くさせる。
麓の羽黒三田神社に出た頃にはもう日の入り前だ。無事に時間通りに奥多摩駅へ着く。さすがにヘトヘトで喉もカラカラでお腹もペコペコ。

変わった雲と夕陽と。
蝋梅も咲いていた。


さぁあの女将さんのお店へ! とトイレも寄らずに駆けるように、、、閉まっていた。うーんこれは痛い。
けど、まだプランBはある。アソコとアソコ、、

夜の帳が下りる奥多摩の町並み。


奥多摩柳小路。何度か通っていて飲み屋さんがあるのはチェック済みだったけど、まだ一軒も入った事がない。時間的にはもうラストオーダーの案内を出している所もあり、少し焦る。
あっ営業中! もうここ、ここにしよう。と暖簾をくぐり席に無事に通された。ほっ
すかさず隊長、大瓶2本! と、まずは1人一本ずつスタイルである。
どうせすぐ飲んじゃうしねぇ

とはいえ、閉店まではそんなに時間はない。ペコペコのお腹に普通に定食を大盛りにしてしまい、隊長に手伝ってもらう。沢山カラダを動かした後は揚げ物が旨い。
普段小食の人間が、今日も懲りずにお腹いっぱいである。つい忘れてしまう。

揚げ物三昧。

女将さんのお店だともっと遅くなってしまっていたはず。なんとか早めの時間に奥多摩駅を脱出できた。といっても、無事に乗り過ごさずお家に着けたのは22時半過ぎである。始発に出てこの時間に帰宅とは、ちょっと楽しみすぎたのかもしれない。

とはいえ、良いお天気だった今日の山歩き。日も長くなってきて、そして春の始まりを感じさせる陽だまりの中で、ゆっくりと山時間を過ごせる気候になってきた。
最高のお天気の中で、鷹ノ巣山の眺望はあまりにも素晴らしく、思い出に残る1日でした。


2024年2月17日。ちょうど1年前の鷹ノ巣山の様子↓

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