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物件探しにまつわるアレコレ

1、人生で何度か物件を探したが、その度に角部屋しか出てこない。ありがたい。

2、不動産屋は、孤独死した物件でも「亡くなってすぐ発見されたので、瑕疵物件ではないですよ」と笑顔で言い切る。すぐとは、3日ぐらいのことだという。業界に3秒ルール的なものがあるのかも。何というか、季節や陽気にも拠るのでは?

3、まあいいかな……と思えた物件だったので、不動産屋に購入希望の意を示し、翌々日、指定された銀行のローンが通った旨を担当者に伝えると、「あれはもう売れました」と言う。落胆はないものの、頭にきたので抗議すると、ヘラヘラしていたその男はすぐにいなくなり、その後、出物があると真っ先に知らせてもらえるようになった。結果、良い買い物ができた。

4、近所に、ベランダが墓地に面して建てられた新しいマンションがある。何故かとても高価で、住人達もどこか得意げに見える。が、分譲なのに年中引っ越しのトラックが出入りしている。

5、まだ物件購入を本気で考えてもいないころ、観光コースに建つマンションの前を通ったとき「ここに住むことになったりして」と、夫と冗談で言い合っていたら、数年後、買うことになったのはそこだった。

6、良く晴れた日に内覧したのに、曇っていた記憶しか残らない物件があった。間取りは覚えていない。

7、キッチンが掃き出し窓の前、お風呂場はシャワーのみ、バスタブがあったらしい場所は、ペンキが塗りたくられてデコボコしている。DIYに失敗して売ることにしたのかな。自力で改装するTV番組が流行っていたからかな。真に受けちゃったかな。

6、まったく違う駅のマンションを検討していたときのこと。古いが、最上階の部屋で、天井も15cmほど高く、バルコニーが6畳ほどもあると聞き、夫婦で期待して居住中の家主に手土産まで携えて見に行くと、待ち合わせした不動産屋がしきりに「ワンちゃんとか大丈夫ですか?」と聞いてくるので、壁紙や床が傷ついたり粗相の跡があったりするのかと思っていると、玄関を開けた途端にものすごい臭いがした。私は犬と猫両方飼っているが、あの匂いは、そのどちらでもないと言い切れる。家主はごく普通の子持ちらしい中年女性だったが、売り手にアピールする気はまったくないらしく、散らかっている上に、妙に小汚かった。這う這うの体で外に出ると、不動産屋がポツリと言った。「ああいう方に限って、価格の方は強気なんですよね」確かに相場より高めの設定だった。何か全員苦笑いして解散した。




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