お笑いライブ写真撮影講座②ホワイトバランスで色を合わせよう
前回の記事の続きです。
露出が決まったら次は色の設定です。
お笑いライブに限らず、明かりがある場所で写真を撮る時は必ずその光の影響を受けます。その環境光の影響を補正するのがホワイトバランスです。
光の色は「色温度」といい、K(ケルビン)という数値で表されます。数字が上がれば上がるほど青みを帯びてきます。
人間の目はこうした明かりの色の違いに順応するのですが、カメラはそのまま写してしまいます。
なので、白を白く写すために青み、黄みを補う設定が必要です。
色温度の違う3枚の写真を用意しました。
日光の下で撮った桜の写真です。
太陽光の色温度は5000Kです。なので見たままに一番近いのは2枚目の写真。夕方っぽい雰囲気を演出するなら3枚目でもありかも。
ということで、
ホワイトバランスが写真に与える影響についておわかり頂けたでしょうか?
さて、
ライブ撮影においてホワイトバランスをオート設定にしておくとどうなるでしょうか?意図しない色に勝手に変わっていきます。
この2枚は全く同じシーンを流れで撮っているのですが、こんなに色が変わってしまっています。
緑のホリゾントのせいでカメラが色を迷ってますね。
(シャッタースピードもオートだから一平の手も不必要にブレてます)
ほとんどの会場で使用されているのはハロゲン電球の照明で、ちょっと黄みがかかった色です。なのでどんどん黄色に寄っていき、目で見ている色とどんどん離れていってしまいます。
じっと待てば合うタイミングもあるとは思いますが、ライブは待ってくれません。
さらにホワイトバランスが狂いやすいシチュエーションとしては
スクリーンに映像が出ている時。
全体が赤みがかってしまってるのが分かるかと思います。
これはプロジェクターの光に影響されてしまっているからです。
肌の色がオレンジになっちゃってますね。あんまりよろしくない。
なのでホワイトバランスを適正に設定すると…
このように、周囲の環境に影響されることなく撮影することができます。
プロジェクターの白と会場照明の白は全く色温度が違うので、会場照明に合わせるとプロジェクターの白は青みがかった色になります。
狙った色合いで撮影するためにホワイトバランスの設定は必要不可欠です。
先述の通りおおかたの会場は電球照明なので、ホワイトバランスは3000-3200Kぐらいに設定しておけばだいたい間違いはないかと思います。
背景の色によっても印象変わってくるので調整は必要ですが…
私は結構3000Kで青っぽく撮りがちです。
見たままの色に合わせると3200~3400Kとかなのかな?
その辺りは好みです。
私はあまりやりませんが、プリセットで色味を合わせることもできます。
ここからイメージに近い色を選んで撮るのもありです。
だいたい3000Kで撮っとけばいいよ〜っていうのは「電球照明」の場合です。例外ももちろんあります。
それが「西新宿ナルゲキ」と「新宿バティオス」です。
この2つの会場は電球照明と白色LEDを混ぜて使用していて(いわゆる「ミックス光」)、LEDは暖色系の電球照明に比べると、青みを帯びている光です(5000K程度?)。
それがどう写真に影響を与えるかというと…
色温度の違う照明が入るとその影響を受けて背景の色も肌の色も変わります。下の写真の方が肌の血色感あるように見えませんか?
普通にライブを見てる分にはあまり影響なく見えるかもしれませんが、写真にするとその差がとても分かります。
(新宿バティオスはライブによって電球オンリーの時と電球+LEDの時があります)
西新宿ナルゲキはセンターはLEDメイン、上下にあるパネルに電球がメインで当たっています。なのでLEDの光に合わせてホワイトバランスを設定するのが良いかと思います。
たまにしか行かないのでアレですが
ナルゲキのホワイトの取り方いまだに正解が分かりません。
LEDと電球のちょうど間ぐらいで取るのがいいのかも?
どうにもわからない場合一回オート設定にしてカメラに委ねるのもいいかもしれません。
めっちゃどうでもいいことですが
下北沢シアターミネルヴァの楽屋もミックス光です。
中央奥の蛍光灯だけ色が違います。昼白色電球なのかLEDなのか…?
なので集合写真撮る時は気をつけた方がいいですね。
誰かの顔だけ青く写っちゃったりするかも。
自分が言えることは以上です!
小難しく感じたかもしれませんが慣れてしまえば簡単です。
あとは楽しくガンガン撮るだけです!
最後に好きな写真載せていくのでよかったら見ていって下さい。
それでは楽しいお笑いライブ写真ライフを。
(WEL丸ビルホール、パネルが青だから3000Kだと青すぎるかも?今度3200Kとかで撮ってみます)