【Workaway】ポルトガルの農場でボランティアをした話🇵🇹
2023年9月に旅を始めた際に、ノープランでしたがヨーロッパに行ってみたいと思っていました。
せっかく行くなら昔からやってみたいと思っていた海外ボランティアもできたらと思い「workaway(ワークアウェイ)」というサービスを利用してポルトガルの農場にに1ヶ月滞在しました。
少し長くなりますが、約1ヶ月の滞在の流れや感じたことをまとめてみました。
Workawayとは
ワーカー(旅をしている人)が約180カ国以上でボランティアや国際交流を必要としているホストを探して連絡が取れるマッチングサービスです。
約4~5時間労働を提供する代わりに、ホストから宿泊施設や食事の提供を受けることができるため、働きながら旅をしたい方や学生の利用が多いように感じました。
(中には食事の提供が無い場合や、滞在費用が必要と明記されているボランティアもあります。)
登録前にどんなボランティアを募集しているのか見ることができたため、まずは参加したい案件があるか探してみました。
農業やベビーシッター、ホステル運営などが多い印象でした。
その中で見つけたポルトガルのボランティアを募集しているコミュニティに参加することにしました。
ホスト選びの基準
主に下記を考慮しながらホストを選びました。ポルトガルは初めて渡航する国だったため治安面やビザ、また自分の他にもワーカーがいるかなどを確認していました。
ホストと連絡を取り滞在が決定
参加したいボランティアを決めてから、Workawayに登録(年払いで49USDでした)。プロフィールの作成をしてからホストに連絡をしました。
その後、コミュニティやボランティアのより詳細な内容をホストから送っていただき、日時の調整を行い滞在が決まりました。
事前に聞いていた内容はこのような感じで、実際大きく異なっていたことはありませんでした。
最低4週間の滞在
寝袋、ガーデニング用のグローブとブーツを持参すること
ポルトガルが対象になっている海外保険に加入してくること
平日4時間のガーデニング作業と滞在させていただく施設の掃除・料理を行うこと
一緒に滞在していたワーカーの中には、他のボランティアに参加したところ「想定していた場所と違う」と感じてホストにも相談し数日で帰った方もいるようです。
不安な面や気になることがあれば事前に確認し、実際に行ってみて「滞在が難しい」と感じた際は無理に滞在せずホストに相談してみるのがいいと思います。
ポルトガルへ入国
今回参加するボランティアはポルトガルの首都リスボンから電車で1時間ほど離れた「ベンダシュ・ノバシュ Vendas Novas」という場所でした。
指定された電車で向かうため、数日前にポルトガルに入国しリスボンに滞在をしていました。
今回、約1ヶ月の滞在だったためビザ無しでスムーズに入国ができました。
(※ビザ情報については渡航時に確認をお願いします)
リスボン滞在中の観光についてはよかったらこちらの記事もご覧ください。
ベンダシュ・ノバシュの農場へ
いよいよボランティア生活がはじまります。
最寄り駅に着くと、数週間前から滞在してる先輩ワーカーがホストと一緒に迎えに来てくれました。
少し話しただけで良い人だというのが伝わってきて、緊張が和らぎました。
このコミュニティでは毎週日曜日に新規参加者を迎え入れてくれます。私が参加した週は他に3名の新規参加者がいました。
滞在中、20人〜25人ほどのコミュニティで共同生活を行っていました。こんなにも多いと思っていなかったので少し驚きました。(名前を覚えるのが大変でした..笑)
ポルトガル周辺のヨーロッパからの参加者が多く、カナダ、アメリカからの参加者もいました。滞在中は日本人の方はいなかったです。
日曜日の夜は、料理担当が作るピザとホストが作る赤ワインのサングリアで歓迎パーティーを行っていました。
ボランティア中の生活
電車の駅から滞在していた農場までは車で約20分ほどです。
途中からはかなりの山道になり、住宅もほとんどなく山々の自然に囲まれた場所でした。
もちろん近くにコンビニ等はないため、自分用の朝ごはんやお菓子、パンなどは週末に買って持ち込んでいました。
ここからはカテゴリーに分けて滞在中の暮らしについて書いてみたいと思います。
労働編
・朝8時〜正午までの4時間、農場でオリーブの収穫や野菜の苗を植えたりといった活動をしていました。
・毎週月曜日の朝にボランティア全員でミーティングを行う。その週の料理担当、掃除担当、洗濯担当、動物の世話担当などを平等になるように決める。担当業務がない時間はフリータイムです。
生活編
・20〜25名での共同生活。1週目は新規参加者4名で1つの部屋を利用。2週目以降は2人部屋を利用。
・猫が25匹、犬が3匹、ロバが1頭、鶏が3羽の動物たちと暮らしていました。
・自給自足を目指したコミュニティであるため電力は太陽光パネルからのみ。電力が足りない日は洗濯機の使用を控えたり、照明をつけるのを控えて蝋燭をつけたりスマートフォンの照明を使っていました。電力が使えないとスマートフォンの充電もできないため、バッテリーが消耗していくのが少し怖かったです。
・トイレットペーパーは1週間に1つ支給されました。(足りなくなったらもらうこともできます)
・電力が限られているためヘアドライヤーを使うことはできませんでした。初めは頭痛を感じることもありましたが、慣れました笑
・共同トイレは4つ。お湯が出るシャワーは3つ。お湯は月、水、金の13時ごろ〜16時ごろまでのみ利用可能。人数が多いため、なるべく早めに出なきゃというプレッシャーが少しありました笑
また、料理で使った鍋の汚れを水で落とすのも少々大変でした。
・個人の洗濯は週末のみ利用可能。
・基本的にネット速度は遅い。(天候に左右されるのか、天気が悪い日や夜は3Gの日も)Wifiは1週間5ユーロ支払うと利用可能。
・冷暖房はなし。11月〜12月でも日本ほど冷えませんが、寝袋がなかったら寒さに耐えれたかな、、と感じました。
娯楽編
・ネットが使えなかいことが多いため、読書、塗り絵、絵を描く、裁縫、映画鑑賞、歌う、ギターを弾く、カードゲームなどオフラインの時間を楽しむことが多かったです。
・クラスを開くことも可能だったので、ポルトガル語を話せる人がポルトガル語のクラスを開いたり、スペイン語のクラスがあったり、タロットのクラスがあったりしました。何かスキルがあるとこういったときに役立つかもしれません。
・夕方は屋根の上に登り、夕日を見る。
・お酒やタバコ、特に喫煙率は高かったように感じました。ヨーロッパはハンドメイドタバコが主流のようでした。滞在中にアルコールやたばこに溺れてしまいコミュニティを離れた人もいました。
食事編
・朝ごはんは各自で作って食べる。昼と夜は日毎に料理担当者が全員分を作り一緒に食べる。薪のオーブンなどを利用して約25名分作るため3~4時間かけて作っていました。その後の食器洗いも3名で担当し1時間ほどかけて行います。
・ベジタリアンの方もいるため基本的に、肉、魚、卵を使った料理は出ない。米、パスタ、パンの中から主食1品と、農園から自家栽培で作った野菜のサラダ、マッシュポテト、豆を使った料理など。
担当者の国の料理が食べられるのも一つの楽しみでした。
休日編
・金曜日の午後〜日曜日の夜ご飯までは自由です。外出せずに過ごしてもOKですし、リスボンや周辺の都市に出て観光をすることも可能です。
1週目は外出せずに過ごしましたが、2週目以降はリスボンとシントラという街に観光に行きました。
農場での暮らしを通して感じたこと
農場での暮らしは現代の日本とは正反対の生活でした。
もちろん、事前に理解した上で参加をしました。
1週間目はここでの生活に適応するように努めましたが想像以上にストレスを受けていたと思います。ただ、自分と向き合う時間も増えたため多くの気づきがありました。
中でも印象に残っていることを3つほどまとめようと思います。
4週間耐えることができるのか
農場に行ってしばらくしてふと思ったのは「4週間滞在できるか」ということです。
生活環境の違いや、ベジタリアンに近い食事、20名ほどで暮らす団体生活は想像していたよりもストレスを感じました。
辛く感じることばかりではなく、クッキーやパンをくれるワーカーもいたり、日本人(というよりもアジア人)が一人であることを心配してくれる方もいました。
食材をもらった時に咄嗟に「お金を払う」と言ってしまいましたが、「何言ってるの、いらないよ。欲しい時は声をかけて!」と言われ、うまく言葉で表せられませんが人と人との温かい繋がりを感じた瞬間でした。
そんなこともあり4週間滞在することができ、たくさんの気づきがありました。
・自分の性格面に関する気づき。時間もたっぷりあったため内省が深まりました。
・働きたい想いが強い。今旅を続けるべきではないと感じました。
・数カ国後話せるのは当たり前。語学スキルをもっと磨きたいと思いました。
・寿司、めっちゃ有名じゃん。あー寿司握れるスキルあったら振る舞えたのに..日本帰ったら寿司握る練習しようかな…
・インターネット無くなると自分って何できるんだろう..歌えるわけでもないしと思ってちょっとがっかり
・ヨーロッパ各国から来ている方が多いのに皆ジブリを知っている。日本のエンタメってすごいなと改めて実感しましたし、ちょっと日本人であることが誇らしかったです。
4週間の暮らしは全てが最高な状態では無いですが、日本で暮らしているよりも多くの気づきがあり、来て良かったなと感じました。
また、2週目以降は週末はリスボンなど都市部に出てリフレッシュし、好きな食べ物を食べて帰ることで適応して暮らしました。
突然のロバの死から考えたこと
滞在から1週間が経ったある日、突然ロバが苦しみ始め立てない状態になりました。
動物病院がすぐ近くにないため、遠隔で見てくれるドクターを探して様子を動画で送ったり各自が必死にできることを探していましたが、数時間後に亡くなりました。
あまりにも突然でした。
1週間しか一緒に過ごすことはできませんでしたがゆっくり歩み寄ってくれたロバを思い出すと本当に悲しくて仕方なかったですし、もっと一緒にいる時間を増やしたり写真を撮ったりしたかったなと思いました。
また、この環境で仮に自分が倒れたりしたら、
もしかしたら医療を受けるのに時間がかかり死んでしまう可能性もあるのかもしれないとも思いました。
この出来事は改めて「やりたいことはすぐにやる」ということに気づかせてくれました。
日常から離れる時間を作ることの大切さ
この農場に来る2ヶ月前まで私は東京で朝から終電間際まで働く日々を送っていました。
仕事は嫌いじゃなかったですし、働くことも好きでしたが正直自分の人生ややりたいことについて考える余力も時間もありませんでした。
思い切って大学生の頃からやりたかった海外で働くことを実践すべく、仕事を辞め、一人暮らしの家を解約して旅を始めることは、正直怖くて不安で先が見えないように感じました。
農場に来ていた社会人の方は様々な仕事をして今後のことを考えたいと思い旅をしているといった方が多かったです。人生について考えたくなったら休暇を取るということは難しく感じますが、大切なことなのかもしれません。
今回の旅で、日本を外から客観的に見ることで暗いニュースも多いと感じていましたが、明るい未来がある国なのではないかと感じられました。
当たり前のように過ごしている環境への感謝も生まれました。(好きな時に電気や水道が使えることは本当に素晴らしいし誰かが限りある時間を使って提供してくれていること)
また、自分への理解を深めることで、以前よりもやりたいことや方向性が明確になったように感じています。
長いような短いような4週間
4週間のうちに多くの新しいことを経験し、様々な感情が生まれた特別な時間でした。
最終日前日は、天候の悪い日が続いており、電力不足で蝋燭をつけながら皆んなで集まって映画「風の谷のナウシカ」を鑑賞したのが思い出です。(PCの充電が残っている子がいたのでNetflixで映画を見ることになり、圧倒的にジブリを見たいという声が多かったのです)
今後何か立ち止まりかけた時はこの経験を思い出してみようと思います。
またいつか必ずポルトガルを訪れたいです。
最後に
今回経験したようなポルトガルでのボランティアやバックパッカーを通じて、ひとり旅仲間と旅行する企画を開催します。
「海外行きたいけど一緒に行く人がいない」
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