プロダクトマネージャー3年目の壁を突破しよう
※この記事は11/18に開催されたProductZineのウェビナーの内容を元に執筆されています。
自己紹介
皆さん、こんにちは。本日は「プロダクトマネージャー3年目の壁を突破しよう」と題しまして、PM3年目の皆さんがより成長しPMとしてインパクトの大きな成果を生み出すためのヒントをお話ししたいと思います。
まず自己紹介ですが、サイボウズ、ビズリーチ、メルペイでプロダクトマネージャーとして働いて来まして、PM歴は14年になります。現在はメルペイでPMのマネージャーをやっています。
プロダクトマネージャーカンファレンスの実行委員もやっています。10/27に5回目のカンファレンスを開催しました。1500名以上の方にお申し込みいただいたので、この記事をご覧の方で参加されたかたもいるかもしれません。
8月にプロダクトマネジメントの本を出版しました。こちらはこれからプロダクトマネージャーになる方向けの内容ですので、このセッションの対象であるPM3年目の方にはちょっとやさしい内容かもしれません。これからPMを目指す人や、プロダクトマネジメントについて理解してほしい人が周りにいましたら是非おすすめください。
「小さなごちそう」という変なタイトルですが、プロダクトマネジメントを主なトピックとしてブログを長年書いています。noteでは「職業としてのプロダクトマネージャー」というタイトルのマガジンで、エッセイ的な記事を投稿しています。
さて自己紹介はこれくらいにして、セッション本編に移りますね。
プロダクトマネージャーの役割とは
このセッションでは、架空プロダクトに関する4つのケーススタディを通じて、PM3年目の皆さんが組織内で影響力を広げて、よりインパクトのある成果を生み出せるプロダクトマネージャーになるための振る舞い方を解説します。
ところでPM3年目とはどんな状況なのでしょうか。その人の経験や環境によって違うでしょうが、ここでは次のように定義します。
一通り開発サイクルを回せるようになってきて周りを見渡す余裕も出てきた。これまでは会社の方針に従って周囲から依頼されるがままに仕事を進めていたが、最近は会社の方針や他部署の仕事の進め方について疑問を感じることも多くなってきた。PM3年目をこんな状態と定義しています。
さてここで改めて皆さんに聞きたいのですが、プロダクトマネージャーとはどんな役割でしょうか。3分ほど考えてみてください。
部門間の調整役、ユーザーに価値を提供する、ビジネス価値を実現する、プロダクトを成功させる人、などなど色々な答えが考えられますね。
ここでは「物事に変化を起こすこと」をPMの役割と定義したいと思います。例えばPMは何かに困っている顧客に対して、プロダクトによってその問題を解決して満足している状態に変化させるわけですよね。
ですからPMは問題に対して「現状維持」というスタンスをとってはいけないのです。ここでPMの皆さんに問いかけたいのは、社内の関係者との関わり方が「現状維持」になっていなか、ということです。
もし会社の方針や他部署のやり方に疑問を持ったのだとしたら、あるいは開発チームとの関係がうまく行っていないのだとしたら、その状況を変化させるためのアクションを取れているでしょうか?
私はこの「社内のステークホルダーとの関わり方を変えること」が、PM3年目の壁を突破するポイントだと考えています。
どのように関わり方を変えるのか、TaskLeanという架空のプロダクトのケーススタディを通じて解説します。
ケースの基本設定
ではまずはケースの基本的な設定を説明しますね。このケースの主人公であるPMになりきって読んでみてください。
TaskLeanは企業向けのタスク管理ツールです。いわゆるカンバン型のタスク管理ツールで、部署やチームごとに作成したボード上にタスクカードを登録できます。未着手・作業中・完了など、ステータスごとスイムレーンにタスクを移動して管理します。
TaskLeanはソフトウェア開発に利用するようなツールではなく、総務部門や営業部門などの非IT部門で使われることを想定したプロダクトです。3ヶ月の無料トライアル利用ができ、トライアル期間中にすべての機能が使えます。プロダクトが気に入ったら本契約することでトライアル期間中のデータをそのまま引き継いで継続利用できます。1ユーザーあたりのライセンス価格は月額¥1,300です。
TaskLeanは2年前にローンチして、比較的順調に売上を伸ばしてきました。ただ、損益分岐点を超えて単月黒字を達成しているものの、売上は当初の計画を下回っています。
あなたの会社は職能別の組織構造で、PMはプロダクト企画部に所属しています。あなたの会社は企業向けソリューションをいくつか提供しており、TaskLeanはその一つです。
TaskLeanの開発チームはPMを入れて5名。そんなに大きな開発チームではないですね。
それではケーススタディを始めましょう。
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