プロダクトマネージャーは意見の調整役ではない

あなたはチームでプロダクトの仕様を議論中だ。エンジニアはA案が良いと言っているが、デザイナーはB案が良いといっている。両者とも自分の案が最適だと考えている。PMとしてあなたはどうすべきか。

A案とB案のどちらが良いかを決定する、というのはPMの仕事ではない。
最初にすべきなのは、ユーザーとビジネスの両方の観点で要件を明確にし、A案B案の要件とのフィット・ギャップをメンバーに正しく説明することだ。もし両案ともに要件を満たさないのであれば、協力してC案を考案するようにファシリテートしなければならない。

PMはユーザーの代表であり、実現すべきビジネスゴールのオーナーでなければならない。ステークホルダーの意見に流されるのではなく、あるべき姿を提示してその実現に向けた障壁を排除するのがPMの仕事だ。

両者痛み分けになるような落とし所を探る「意見の調整役」になってしまうと、ユーザーゴールもビジネスゴールも達成できない中途半端なプロダクトになってしまう。

なぜエンジニアはA案が良いと考え、デザイナーはB案が良いと考えるのか。結論だけでなくその理由を解像度高く理解しよう。両者は要求を正しく理解しているだろか。リスクを過剰にとらえていないだろうか。どのように前提条件を変えれば、あなたが考える「ユーザーと自社の双方にとっての正解」を実現できるだろうか。

ユーザー要件とビジネス要件をクリアにすること、要件を満たすために必要なアイデアを見つけ、暗黙の前提条件を覆すこと。これがプロダクトマネージャーに求められる立ち回りだ。

お知らせ
プロダクトマネジメントに関する入門書を書きました。これからPMになる人、これからプロダクト開発に関わる人はぜひご覧ください。

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