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吉田修一『日曜日たち』読了

初読作家さんの、日曜日と幼い兄弟が関わる連作短編集。

基本的には1日(日曜日)の話ですらないのに『日曜日たち』とタイトルを付けること自体、無理やり連作短編集にしました感がある。

では、小学生の兄弟と会ったのが日曜日だと仮定すると、初めて東京に来た小学生が1日(日曜日)のうち(東京には1週間しかいなかった)に、北九州から東京まで新幹線でやってきて、その新幹線が最低でも3時間遅れたのだから、東京駅に着くのは始発で順調にいって13時。そこからお金なしに動く範囲が広すぎて、最後に新宿で補導されるまで、1日で行動することなど出来るわけがない。

たぶん読み方がおかしいのだろうが、残念ながら失敗作としか言いようがない作品になってしまった。最後の話を膨らませれば、それだけで素敵な長編小説が出来ただろうにと思うと残念で仕方ない。選ぶ本を間違えたか。もう一冊読んでみたい作家さん。

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