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日曜美術館を見て(2023.5.21)

今日のテーマは挟土秀平さん。左官を超えた芸術に挑戦している。

正直言って左官と芸術を結びつけて考えたことはなかった。
壁は背景であり、本来は脇役であるはずだが、絵は壁に掛けるものなのだから、壁自体が絵になってもまったく不思議はない。挾土はバンクシーの影響を受けたという。

挾土は「芸術に言葉はいらない」と言う。確かに絵が描かれた背景や、そのときの画家の心理状態などを知識として持ってから絵を見るのも、ひとつの鑑賞方法だと思うが、私はまず絵を見て美しいと感じるかを重視している。素人の鑑賞方法かもしれないが、絵を観た瞬間の感動を大切にしたいと思っている。小説や詩のインスピレーションが湧けばいいと考えてはいるが、なかなかそれは難しい。それは言葉のない芸術作品を言葉で表すことは蛇足になるからなのかもしれない。

挾土は地球の躍動を自分の目で見て、自分の求めている土を探している。自然は奇跡であり、土は自然がくれた色彩になる。

番組では硫黄を採取する場面があったが、硫黄の美しさを初めて知った。挾土も最初は地球の膿と呼んだ硫黄を実際に見て、「地球の膿ではなく宝石」だとつぶやく。

自然という奇跡の材料を使用して作成した芸術もまた奇跡であり、挾土が完成させた硫黄を使った芸術はひと目見て美しいと思った。

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