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誰もいない町の片隅で(超短編小説)

誰もいない町の片隅に木製のテレフォンボックスがある。
そのテレフォンボックスには1時間毎に電話がかかってくる。24時間、365日、休むことなく、1時間毎に電話がかかってくる。
電話のベルの音は5回と決まっている。誰が決めたのかはわからない。とにかく5回ベルが鳴ると電話は切れる。
今日もまた電話のベルが鳴っている。誰がかけてきた電話かわからない。
そもそもその電話を受ける人はこの町にはいない。

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