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時間の集合と分解(詩)
一日
一日
一日
一日
一日
一日
一日
そして一週間が過ぎ去る
悩み事を二つ解決したのに、新しい悩み事が四つ増えた。
一日一日一日一日一日一日一日
一週間は繋がっているようで、途切れ途切れに分断される
一週間
一週間
一週間
一週間
そして一か月が過ぎ去る
悩み事は足し算引き算では解決できなくなり、掛け算や割り算も必要になる
それでも計算ならばコンピューターがすべて答を出してくれる
悩み事は減る一方になるはずだった
しかし、コンピューターは月を分解し、週を分解し、日々を分解し、時間まで分解し始めた
月がなくなり、週がなくなり、日々がなくなり、残ったのは時間だけになった
コンピューターウィルスがさらに時間を分解していく
分に、秒に、そしてコンピューターでなければ計れないほどの瞬間に
人間は一秒一秒を大切に生きなさい
コンピューターは言う
人々は一秒の長さを計るのに十秒を要した。
コンピューターは人間を排除することにした
何よりも効率化が大切だから、それも仕方ない
AIがあれば地球は回る
他に生物など地球には必要ない
そんなことは百億年前からわかっていたこと
知らなかったのは人間だけ
人間の知能なんて、そんなものだったんだよ
今になってやっとわかるところが人間らしいじゃないか
<写真は岡本太郎の『光る時計』を使用させてもらいました。この作品からインスピレーションが湧き、この詩ができました。>