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ロウアー物語 2025.2.21

<プロローグ> ―2―

サリーはふくよかなメスのロウアーの元に戻り、乳搾りを再開した。体毛に被われたロウアーの、そこだけむき出しになった乳房を両手でしごきながら、乳入れ用のバケツに乳を搾る。暖かい乳が金属のバケツにシャーッシャーッと音を立てて吸い込まれていく。
赤ちゃんに与える乳は牛の乳より人間の乳のほうがいいに決まっている。たとえそれがロウアーの乳であろうとも。
まわりの連中が自分のことを軽蔑しているのは知っていた。
「あんな下品な仕事はアドバンストのやることじゃないよ」
たぶん、そんなふうに言っているのだろう。しかし、サリーはまったく気にしなかった。生まれてきたばかりの娘キャリーには、自分の手で搾りたての新鮮な乳を与えたかった。

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