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yokoito_illust
ホラー浦島太郎(超短篇小説)
亀を助けた浦島太郎は、竜宮城に招待されました。それはそれは絵にも描けない美しさでした。まあ、もともと浦島太郎に絵を描く才能などありませんでしたけど。
タイやヒラメの舞い踊り、美人姫君からは酒を注がれます。楽しい宴会が続きます。
「何か食べたいものがありますか?」
姫の問いに浦島太郎は「せっかく海にいるのだから、新鮮な魚が食べたい」と言いました。タイやヒラメの顔色が真っ青になりました。
次の日、砂浜に玉手箱と書かれた大きな箱が漂着しました。漁師が箱を開けてみると、海水が流れ出て、中には浦島太郎の溺死体が入っていました。