「好きでいるだけでいい」と言い聞かせて押しつぶす恋
炊飯器で作ったトマトリゾット。
夏休み。約1か月好きな人に会えない時間。
夏休み前の私は、この期間に自分の恋が冷めてしまえばいいのになんて思っていた。正直恋をすることはいろいろとしんどいことが多すぎるから。
単純に片思いがつらいというのもあるけれど、そんなことよりももっとつらい。ロマンティックアセクシュアル(恋愛感情は抱くが性的欲求は抱かないセクシュアリティ)であることで、相手に抱く恋心のやり場がどこにも落ち着かないことが大変しんどい。
会わない期間はふとした時によく思い出していた。会わないのが当たり前でかつ通常でも大して頻繁に会うことはないもんだから、顔を合わせられないということにそこまでの苦痛は感じていなかった。
そして約1か月振りに顔を合わせる日の前日。驚くほどに気持ちが高ぶっていた。楽しみで楽しみで仕方がない。
案の定、会えた瞬間、自分の瞳孔が開いたのを感じた。会えなかった期間に押し込まれていた気持ちが爆発したかのように、その日は一日中興奮が収まらなくて、寝る前には苦しくて苦しくて心臓が押しつぶされそうだった。
そしてその日から夢によく見る。
自分の気持ちがもう止められないことに気づいた。
いけないことに、その人となら”ふつう”の恋愛ができるんじゃないかって、無謀な期待まで抱いてしまっている。
ふつうに好きになって、キスだってセックスだって、相手のためならなんとかなるんじゃないかなって、思ってしまっている。
前回の恋愛を思い出せばわかる。ぜっっっっっっっっったいにできない。
お願いだから、無謀な期待をしないで気持ちが静まってほしいと思う。
私は恋した相手とふつうに付き合うことは絶対に無理だから、どうかこの気持ちがなくなってしまえば。そうしたら私の心の平穏だって保たれるし、これ以上大好きな人を傷つけることもなくなる。
「好きでいるだけでいい」
そう言い聞かせることで押しつぶした恋もあった。泣いた。苦しい。そういう終わり方をした恋は、心のずっと奥の片隅にずっとずっと残る。
それも別に悪くない。きれいな気持ちのまま大切にいつまでもとっておける。
今回だって、できるでしょ。時間はだいぶかかるだろうけど、苦しい気持ちになることもたくさんあると思うけど、もうそうするしかないからな。