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AND/OR 解説


はじめに

こんにちは。みずきちです。
2024年9月29日(日)に開催されたニイガタ謎の陣において出展した「AND/OR」という公演の解説、裏話noteになります。


事前情報

 本公演では「ANDモード」と「ORモード」を選ぶことができます。
謎の内容は変わりませんが、クリアに必要な鍵の本数が変わります。

モードの説明

また、公演前、公演中に注意事項として以下を提示していました。

よくある注意事項

また、部屋の様子は以下の通りです。

奥側
テーブルの奥にはマンボウのパネルが貼ってあります
手前側

ちなみに、ANDモードでは以下のような感じで施錠されます。

なんだかよくわからない鍵たち

解説

STEP1

 STEP1では3問の小謎が出題されました。
 それぞれの謎を解くと3桁の数字を導くことができます。
 問題に対応する色の3桁錠を開けることで、STEP2の破片を手に入れることができます。

①あかのかぎ

「あかのかぎ」の謎 どうぶつたくさん

 部屋の中には問題文中で出てきた6種類の動物のパネルが貼られていました。アシカ→ペンギン→マンボウ、カメ→シャチのパネルを順に辿っていくと4の形になります。つまり、指示に従ってパネルを辿ることで3つの数字を導くことができます。答えは762となります。
ちなみに床には8の字でテープが貼ってあり、それを補助に進めることができました。

②あおのかぎ

「あおのかぎ」の謎 

太陽と月のイラストは、部屋に貼られた迷路のパネルに含まれていました。

迷路パネル

 そのままでは数字を導くことができませんが、部屋の中にあったブラックライトでルートを照らすと3つの数字を通ることがわかります。


③だいだいのかぎ

「だいだいのかぎ」の謎

 部屋の中にはホワイトボートと、色のシールが貼られた磁石がありました。同じ色が触れるように磁石を貼りましょう。その後、部屋の中に落ちていた鎖についているゴム製の輪をかけると、タグの矢印がホワイトボードの数字を指します。左から順に数字を拾うと047となります。

STEP2

 STEP1で入手した9枚の破片を組み合わせると、以下が完成します。

「ふたつめのなぞ」

 画像で示されているのは部屋内にあった3つの箱です。
 指示に従いそれぞれの箱を開けていくと、縁に白と黒のテープが貼られていることがわかります。

 3つの箱を開けた時、黒テープが貼られている部分をデジタル時計の数字の様に見ると「692」という数が浮き上がります。

これで金庫を開けることが出来ます。

LAST STEP

 金庫から3問の謎を入手できます。
 それぞれの謎を解くことで、南京錠の鍵を入手することが出来ます。
脱出するためにはORモードであればいずれか一問、ANDモードであれば全て解く必要があります。

① 指示文のない謎

紙きれ

 この謎には文字がありません。あるのは紙片のみです。しかし、これらの紙片は今までの謎で目にしてきているはずです。これらはSTEP1、2の見出しに使われていた紙片です。それぞれの紙片に対応する文字を拾うと、「なふだのなか」となります。
 名札をつけているスタッフに「名札をください」とお願いしてみましょう。すると、名札の中から鍵を1つ入手することができました。

②イラストの謎

どうぶつさんの大行進

 動物さんを結んで数字を作る謎はSTEP1でも出てきました。そのルールに従うと「3」という数字になります。ここで一つ注目すべきポイントは、STEP1の例示です。例示では「4」という数字が書かれているのですが、数字のフォントが変です。このフォントどこかで見覚えがないでしょうか。このフォントは注意事項と一致していました。実際にパネルを結んで数字を作ると、角ばったデジタル数字のような形になるはずです。つまり、動物を結んでできた「3」とは注意事項の3番を指していました。
では、「注意事項の3番を破る」とは何でしょうか。「破る」という単語には「引き裂く」という意味の他にも、「決まりを無視する」という意味もあります。つまり、注意事項の3番「STOPマークに触れない」というルールにあえて違反してみましょう。唯一STOPマークの貼られたコンセントを調べてみると、中から鍵が出てきました。


机の足に貼った違和感のあるコンセント
※公演本番では場所を変えました

③不完全な謎

 最後は写真の通り、一部が切り取られた謎です。
 まずはこの謎完成させましょう。今までの謎の四隅には枠がついていました。今回の謎と同じ枠がSTEP1の「あかのかぎ」で使用されています。二つのラミネートを重ねると、今回の謎が完成します。

 次に、この画像が何を示しているのか考えましょう。これを考えるためには、写っている物をそのまま読むことが重要になります。
「あしか」「ライト」「磁石」「で進め」
→あしからいと磁石で進め
→”あし”から”いと”磁石で進め
→”足”から”糸”磁石で進め
 ”足”と”糸のイラストは「あかのかぎ」で使用した迷路パネルに描かれています。STEP1ではライトで照らして太陽から月まで進みましたが、今回は磁石で足から糸までなぞってみましょう。すると、迷路パネルから一つの鍵が落ちてきます。
下のツイートに実際になぞった様子をいれました



制作裏話

今回の公演について

 プログラムにおけるIF文が元になっています。
 例えば、「A条件とB条件のどちらも満たす」場合には以下の様に記載します。(超簡略化)

if (A && B) {
    // 条件を満たす場合だけ通る
}

また、「A条件とB条件のいずれかを満たす」場合には以下の様になります。

if (A || B) {
    // 条件を満たす場合だけ通る
}

同じ条件が並んでいても、それらの条件を結ぶ「かつ(AND)」「または(OR)」を変えるだけで最終的な正誤も変えることができます。ここでいう条件を「LASTSTEPの謎」、それらを結ぶものを「モード」として設定することで、同一の謎で少し条件を変えることができるのではと考えました。
 ちょうど、公演アイディアの中に「複数の錠前がかかっているが、一つ開ければ箱は開く」というものがありました。鍵の掛け方によっては「AND」「OR」を再現できるため、今回の公演に組み込みました。

 調べてみたところ、実際にこの様な錠前の運用がされているところもあるとのことです。複数業者で管理しているような施設だと、鍵の貸し借りの手間を考慮するために自社の持つ一つの鍵で開けられる様になっているようです。

 あとは、普段の公演でも意識している「謎解きでよく見るアイテム、ギミックを使う」を組み込みました。特にブラックライト、磁石は個人的にも好きなアイテムなので使えて良かったです。


さいごに

 みずきちとして個人で制作、運営するのはおそらく最後の公演になります。「新潟でルーム型を遊んでもらいたい」という軽い気持ちから始めた個人制作でしたが、想定よりもたくさんの方に遊んでいただきました。拙作にご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
 今までとは違う形になりますが、「新潟で謎解きをより身近なものにする」取り組みは引き続き行っていきます。

AND/ORの解説noteは以上になります。
ご参加いただいた皆さん、ここまでお読みいただいた方ありがとうございました。

また、”どこか”でお会いしましょう。

追記

2024/10/1 
 上までは予約で事前に書いていた文章になるので、ここからは当日のことについてお話しします。

 当日はなんと28組の方々に遊んでいただきました。しかし、遊びたくて並んでいたのにも関わらず遊べない方もいっぱいいらっしゃったとのことで、案内の仕方や転換のスピードなど色々と反省することがありました。ご案内できなかった皆さん申し訳ございませんでした。
 初めは「時間が空いた人達に遊んでもらえれば」と思っていたのですが、「みずきちの公演を遊ぶために予約をあまり入れていない」というような声もあったと聞き、驚きしかありませんでした。特に、今年は「AND/OR」という訳のわからない、中身も想像しづらい公演だったにも関わらずに興味を持っていただいたのは本当に嬉しかったです。
 正直28組もギリギリだったのですが、それを可能にしてくれた受付スタッフの「tomo」さんには感謝しかありません。受付もコンテンツの感じ方を左右する一つの要素であるため、明るく、そしてどうすれば良いか一緒に考えてくれたからこそ楽しんでくれた方が多かったと感じています。今度美味しい物奢ります。

 今回、自分の公演では珍しく成功率が半々くらいになるように作っており、結果半々くらいになってバランス的にも良かったのかなと感じています。ただ、失敗した方にも楽しんでもらえるように、ギミックの全ては説明した上で磁石とコンセントは鍵の入手まで行っていただきました。どちらも驚きのリアクションを浴びることができ、終始ニッコリしてました。
 
 あとは、私がめちゃくちゃ喋っていたことに反省しています。初めは無機質な感じで案内・スタッフをしようと思ったのですが、フェスでテンションが上がった結果、愉快な声デカお兄さんになってました。ノイズ、集中力が切れた方いらっしゃったらすみません。
 去年のコンテンツ、フィナーレを経て「狂人」イメージが根強くついてしまったので、今年は「正統派」「知的」な感じで行こうと思っていました。蓋を開けたら「声デカ」でした。どうして。


追記は以上となります。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

次は展望台でみなさまをお待ちしています。


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