トンニャン#52(番外編)クビドとリオール(ちょっとBL苦手な方はスルーで)
※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
「クビドリオールの巻」のような意。話の位置は前回の「ラファエルの巻」の次。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。
「まだ、黙ってる気か?わたしの力は、たとえ一瞬でも何もかも読み取る事が出来る。修行途中のおまえとは違う」
「・・・わかってるよ」
「わかってるなら言えよ!なんで黙ってたんだ?」
リオールは顔をそむけてクビドが見れない。クビドの怒りが本物である事を痛いほど感じている。
「俺も・・・どうしていいか、わからなかった。だからって、おまえに話すのが、いいのか悪いのか・・」
「いいとか悪いじゃない!おまえ、わかってるのか?わたし達はこうしているだけで、チェリーやコーラを悲しませているんだぞ」
「わかってるよ」
「わかってない!」
「わかってる!」
「わかってない!」
クビドはふいにリオールに口付けると、そのままベッドに押し倒した。
「さっきまで何をしていた?」
「何だよ」
「何をしていた?」
「知らないよ」
クビドがまたリオールに口付ける。
「これがどういう事かわかってるよな?」
「わかってるよ」
「チェリーやコーラが、わかっていて許してくれてるのを、おまえは本当にわかっているのか?」
「わかってるよ」
「じゃあ言えよ。自分の口から、ちゃんと説明しろ」
クビドは起き上がり、ベッドにそのまま座った。リオールはゆっくりと身体を起こすと、やはりベッドの上でクビドと向かい合った。
「妹のサーティとは、生まれた時から結婚するはずだった」
クビドは大きなため息をついた。
「おまえ、ここで初めて会った時からわたしに嘘をついていたんだな。」
「いや・・・忘れていた。」
「忘れてた?」
「ひどい話だろ?結婚するはずだった事を忘れていたんだ」
「そんな事、あるのか?」
「コーラに会った時から・・・あの光が天上界から堕ちて来た時から、すっかり忘れてたんだ」
「光?コーラが堕ちて来た時?じゃあ、おまえはコーラが最初から堕天使だと知っていたんだな?」
リオールはうなずいた。
「知ってたよ。あの初めておまえと会った時、コーラとトンニャンは、コーラの過去を見に行っただろ。あの時、コーラが堕天使だったと皆は驚いていたが、俺は知っていた」
「ブラックエンジェルがコーラを育てたんだろ。おまえがコーラを天秤から弾き飛ばしたところが湖で、そこにブラックエンジェルがいた」
「あぁ、あれは偶然だ。まさか、俺もブラックエンジェルがコーラの実の母親とは知らなかった。
もちろん、四枚の翼を引きちぎられていた事や、それを自分で封印していたなんて、思いもよらなかった」
クビドはベッドから降りると、お茶の用意を始めた。
「こっちに来て座れよ。のどが渇いただろう」
リオールもベッドから降りてソファーに座ると、クビドがカモミールティーを入れてテーブルに置いた。
続く
ありがとうございましたm(__)m
トンニャン#52(番外編)クビドとリオール(ちょっとBL苦手な方はスルーで)
※「ブラックエンジェルがコーラの母親とは」「コーラが四枚の翼を引きちぎられていたとは」問題のシーンはこちらから
「悪魔皇太子妃コーラ」よりhttps://note.com/mizukiasuka/n/n0b67b42d34fa?magazine_key=mf04f309d9dfc
【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】
※トンニャンが全部読めるマガジンはこちら
https://note.com/mizukiasuka/m/mf04f309d9dfc
次回トンニャン#53クビドとリオールへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n2c11d64e023d
前回トンニャン#51 クビドリオールはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n16f0fb8ce801
最初からトンニャン#1は
https://note.com/mizukiasuka/n/n2fc47081fc46