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Love's night #7
ところが一か月も過ぎたころ、突然タカネが戻って来た。
今度はアルバイトで保育補助の仕事をするのだというのだ。
以前のように丸一日ではないが、午後から夕方・夜にかけて
勢のお迎えに合わせるように、タカネは保育園で働き始めた。
更冴(さらさ)はとたんに元気になった。
心からタカネを気に入っていたのだろう。
もともと母親がいないせいで、女性の保育士さんにはべったりの更冴だったが、
タカネには特になついた。
勢(せい)もまた 保育園に迎えに行くたび、タカネと短い会話をするのが楽しみになっていった。
その日は今までになく、勢は迎えに行くのが遅くなってしまった。
本当はとっくに保育園が終わってしまう時間だ。
息を切らしながら駆けつけると、そこにはアルバイトのタカネだけがいた。
たまたま保育士の先生たちも用がある人が多く、
またタカネもずいぶん仕事に慣れたということ、園児が更冴ひとりだけ残っていたこともあり、
タカネに最後を任されたらしい。
勢は平謝りで 頭を下げた。
タカネは笑って首を振ると、疲れて眠っている更冴を抱いたまま、小さな声でささやいた。
「すみません。
私、最後間違いなく戸締りしますって言ったんですけど自信なくて。
一緒に見回り してもらえますか?」
勢は更冴をだきかかえようと腕を出したが、タカネが首を振った。
「起しちゃうとかわいそうだから、大丈夫。
それよりついて行きますから、先に歩いてください。」
ありがとうございましたm(__)m
Love's night #7
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かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
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