魔女の島 Ⅳ
ピアは ニシモに何も告げず 家を出ました。
しかし どうやって魔女の島に行けばいいのか わかりません。
困ったピアは、五つの食器に願いました。
魔女の島に 連れて行ってくれるようにと・・・。
食器は光を放ち、気がつくと ピアは 魔女の家にいました。
魔女と 魔女の娘と二人で椅子に座り、笑っていました。
食器は 魔女の家のテーブルに きれいに並んでいました。
ピアは食器を返す代わりに、ニシモの指を元通り ピアノが弾けるようにしてほしい、ニシモにかけた魔法を解いてくれるよう 頼みました。
ところが魔女は大笑い。
食器が戻ったら、またニシモを連れ戻し ピアノを弾かせると言うのです。
ピアの心に怒りが こみあげました。
「消えてしまえ、魔女も娘も消えてしまえ。
魔女の島なんか なくなってしまえ」
ピアが つぶやくと、魔女と娘は青白くゆらぎ、小さな悲鳴を残して消えました。
五つの食器の正当な相続人は、まだピアだったのです。
すぐに地響きが起こり、島がぐらりと揺れました。
ピアは急いで食器に願いました。
ニシモのもとへ 帰してくれるようにと。
ピアが家に戻ると、ニシモが喜んで迎えました。
指が動くようになり、ピアノが弾けるようになったのです。
しきりに ニシモは不思議がっていましたが、ピアにはわかっていました。
魔女が死んだから、呪いが解けたのです。
そして 魔女の島もなくなってしまったことを・・。
それからニシモは ピアノを弾いて生活するようになりました。
二人は子供にも恵まれ、末永く幸せに暮らしました。
五つの食器は どうなったでしょうか。
ピアは誰にも言わずに そっと隠してあります。
いずれ 誰かが 相続するまで・・・。
終わり
2001年9月
古い作品なので 文章の稚拙さが目につきます。
今なら もっと 会話をいれて 内容をふくらませたかもしれませんね。
最後まで読んでくださって ありがとうございました。
いつも感謝しておりますm(_ _ )m
魔女の島 Ⅳ
最新作「駒草ーコマクサー」
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
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