トンニャン最終章#22 ミカエルとルシファー
※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ガブリエルの巻」の次、「ミカエルルシファーの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。
ハヌマーン、ガネーシャ。充分やってくれた。この洪水は、止められなかった。たとえ、どんな力を持つ神々でも、だ」
「ありがとう。俺はお前たちから見たら悪魔なのに、よく協力してくれた」
「バカ言え。アシュラのために動いたわけじゃない」
「そうだよ、アシュラ。僕たちは、僕たちの考えで決めたんだ」
*************
「帰ったか。残っているのは、天上界からの天使たちと、魔界の者だけだな。」
トンニャンが振り返ると、四大天使が並んで立ち、その眼の前に堕天使であるサマエルが立っていた。
「おいおい、これから魔界に来るんだろう。だったら、新参者だ。挨拶無しってわけじゃないよな。なぁ、俺を堕としてくれた、ラファエル。」
「チッ。」
ラファエルは座り込んで、あぐらをかいた。
「お~~や。サラブレットの四大天使が・・・」
「うるさい!俺は、もともと、こうなんだ」
「ラファエル。なんて口のきき方?天使長として、四大天使として、やっと、それらしくなったのに。俺ってこと、無いでしょ?」
「アテナ、いやガブリエル。もう、堕天使になったんだぜ。気取る必要なんか無い。俺は、おまえたちみたいに上品に育ってないんだ」
「一緒に育ったのに、何故そうなったんだろうな、ラファエル」
強気の物言いをした堕天使サマエルが、突然退いた。
「ル・・・ルシファー・・・」
「ルシファー!」
サマエルと四大天使が、同時に名前を口にした。
「おい、サマエル。ルシファーは大魔王になっても、いつもこんなに眩しいのか?」
「ひ・・・ひぃ・・・」
サマエルは、ラファエルに答える間もなく、消え去った。
「あいつ、何しに来たんだ?」
「相変わらずだな、ラファエル。おおかた、わたしの光がまぶしかったのだろう」
「ルシファー。悪魔になっても冷静なこった。」
「おい、ラファエル、余計なことを言うな」
「ウリエル。おまえも、ラファエルのお守役は、解放されていないようだ。ガブリエル、アテナは懐かしかった。もう、堕ちたのだから、ウリエルの気持ちを受け入れても良いのでないか。」
「ルシファー、そんなことより、あなたはミカエルと話さなければ、いけないわ」
「手厳しいな、戦いの女神は」
続く
ありがとうございましたm(__)m
トンニャン最終章#22 ミカエルとルシファー
※ミカエルとルシファー双子説の経緯とサマエルのことも少し書いてある、
「トンニャンシリーズとは#5」こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n7440bebb4804?magazine_key=mf04f309d9dfc
【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】
次回トンニャン最終章#23 ミカエルとルシファーへ続くhttps://note.com/mizukiasuka/n/n5ee6915b7573
前回トンニャン最終章#21 ミカエルとルシファーはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n604d1a71c1d9
トンニャン最終章、最初から読めるマガジンはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/m/mb128933fa182
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