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トンニャン最終章#9 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「まさか、世界中の神々が人間たちのために立ち上がるとは」
 
「トンニャンなのか?」
アスタロトがサーティに首を向ける。
「いいえ、トンニャンは歴史に介入できない。だからこそ、神でも悪魔でも人間でもない。どの歴史にも、神話にすら残っていない。
彼が、ただの一度も歴史に関与しなかったから、人間たちの記憶に残っていないのよ」
では、誰が。誰がこの洪水を。まるで、用意されたように神々が現れている。
 

「アシュラだな。」
アスタロトのつぶやき。
納得したようにそれぞれがうなずいた。

 
アスタロトの言うとおりだ。天上界で、この洪水を漏らす者、裁かれる人間たちを助ける者など、いるはずがない。助ければ、それは天帝への裏切り。
 

「洪水をトンニャンは察知していた。察知していたが、歴史に介入できない。何もできない。しかし、アシュラは悪魔であり、阿修羅王は、異教の神だ」
「そうだな。アシュラは何らかの手段を講じて、世界中の神々、忘れらていたかもしれない神々まで、この洪水を知らせた」
「この神々にどうやって知らせたか、そして、彼らがどうして洪水を信じたか。いや、洪水が起きたと想定した時、どう動くか、人間たちを助ける側にまわるか、傍観しているのか。その選択は、いくらアシュラとて、強制できるものではない。それぞれが、力も知性もある者たちだ」
 

それが、すべて、助ける決断を下したというのか?かつての洪水では、助けた者と、傍観した者に別れたというのに!
 

「もっともっと、おもしろいことになってるのよ」
サーティの笑みは、悪意があるとしか、思えない、これをただおもしろがる。同じ悪魔とはいえ、悪趣味極まりない。
 
しかし、サーティの言うとおり、さらにクリスタルをまわした先には、驚くべき光景が待っていた。
 
「アスタロト、俺は夢を見ているのか?」
マルコシアス、わたしも夢だと思いたい。しかし、これは何だ?
 
「サルガタナス、マルコシアス。わたし達は現実を見ている。信じがたい現実。こんなことが・・・な」
「なぁ、アスタロト。これは天帝への裏切り。つまり・・・」
 

そう、わたし達を魔界に堕とした張本人。
「こいつら、四大天使・・・か?俺の見間違いか?」
「忘れるものか、こいつはパワーズ(能天使)のラファエルだ」
 

そう、我々は皆、堕天使。この魔界では初めから悪魔だった者より、今では堕天使の方が多いくらいだ。
なぜなら、悪魔より堕天使の方が強い者が多い。

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン最終章#9 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

そう、ルシファーをはじめとして、アスタロトもベールゼブブも、マルコシアスもサルガタナスも、そしてブラックエンジェルも堕天使。
アスタロトがパワーズ(能天使)ラファエルに堕とされるシーンはこちらから
アスタロト公爵編「ハエの魔王ベールゼブブ」
https://note.com/mizukiasuka/n/n61491f183e33?magazine_key=mf04f309d9dfc
【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

次回トンニャン最終章#10 サルガタナスへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n6293bea9ed82

前回トンニャン最終章#8 サルガタナスはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/ncc8fa48813fe

トンニャン最終章、最初から読めるマガジンはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/m/mb128933fa182

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