【書籍】 「教誨」 作:柚月裕子
教誨・・・悪い事をした者に教えさとすこと。
教誨師・・・刑務所で受刑者などに対して徳性教育をし、改心するように導く教誨を行う者のこと
おそらく、いくつかの事件(または、あの事件)をモデルにして、
かなり丁寧に調べ、理解し(理解できない部分があったとしても)、
真摯に向き合い、そして
自分自身のオリジナルの展開、設定の下、ひとりの受刑者の執行後に、
その引き取り人と指名された遠い遠い親戚の女性が、
受刑者である女性の人生をたどる物語である。
親とは何か
父親とは 母親とは
子とは何か
連れ添う(結婚)とは何か
夫婦とは何か
我が子とは何か
それらに連なる、愛情というものは何ものなのか
いくつかの事件(もしかしたら、ある事件)をもとに、
人の尊厳を、人の悲哀を、人の懺悔を、いや
人の人生を
ここまで、掘り下げられるものなのか
感動などという、単純な言葉では言えない
なんとも奇妙な感覚
それでいて、きっとこの物語を忘れないだろう、と思える強い爪痕
読んでいて、辛くなる人もいるかもしれない
誰に感情移入するかは、人それぞれかもしれない
ただ、言えるとすれば
「ありがとう」
この物語に出逢わせてくれて
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