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エンドレスヒール#60 -3.11

3月16日(水)震災6日目

庭に出ると、向かいの奥さんが見えた。
「大丈夫?」
「えぇ。なんとか。ご家族は?」
「うちは大丈夫よ。岬さん ところは?」
「大丈夫。でも、夫が夜仕事でいないから、一人なの。」

「えぇ!心細いわね。」
「仕方ないの。」
「何かあったら言ってね。・・・あ、もう、3・4丁目では電気がついたんですって。」
「え?電気が?同じ町でも こっちは遅いのかしら?」

「でも、水 出たでしょ?」
みず・・・??
「出てるわよ」
向かいの奥さんは、自宅の外に着いている蛇口をひねった。
「まだ、赤水だけどね。」

和美は急いで家の中に戻り蛇口をひねった。
水だ。水が出ている。
和美は家中の蛇口から水を出した。
まず、赤水を流しきらないと、使えない。

その時、懐かしい電話の音 昔の黒電話の
ジリジリジリ!
という 音が響いた。

続く
2011年5月16日(月)

エンドレスヒール#60 -3.11

次回 エンドレスヒール#61 へ続く
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