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エンドレスヒール#48 -3.11
2010年7月末
救急車と思っていたのが介護タクシーで、車いすを乗せられるようになっていた。
当日、ワイシャツにジーンズではないきちんとしたズボン。
タクシーの運転手の服装を思い出し、服を考えるよう言われていたので、夫のワイシャツを借りていった。
本来、会社のベストを着るのだが、夏なのでワイシャツのままスタートした。
介護タクシーは、病院から自宅 自宅から病院への送り迎えが多く、介護保険の範囲内と、それ以外のものがある。
介護保険内だと9割負担なので、お客様は1割負担。
しかし、それが介護保険に該当するかは、お客様の状態により微妙な部分があり、もし10割負担となると、普通のタクシーより、かなり高い。
また、きちんとヘルパーの資格を保有していること、そしてその技術も精神も、本来 志しが高くないと出来ない仕事だ。
担当の渋沢さんの車で、お客様のもとへ走る。
最初に
「いつも必ず聞くことだけど、福祉とは何ですか?」
と、突然 聞かれた。
「福祉・・・漠然としてますが、今、私ができることをすること。そして、いつか私が行く道・・・ですか・・・ね。」
「・・・自立支援、だな。」
教科書に載っていた言葉だ。和美は、自分の福祉を語ってしまった。論点がずれている。
「利用者さんと接する時、一番大切なことは?」
「・・・心・・・ですか?」
「コミュニケーション」
これも教科書に載っている。何を勉強してきたんだ。
座学・実技・施設実習も終えたのに、根本がまだ甘い自分がいた。
続く
2011年5月4日(水)
エンドレスヒール#48 -3.11
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
次回 エンドレスヒール#49 へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n85a2f74be36f
前回 エンドレスヒール#47 は こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n317a18e23748
エンドレスヒールをまとめて読めるマガジンは、こちらから
https://note.com/mizukiasuka/m/m3589ceb09921
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