ある独白#9
「ちょっと!私の持ち帰りの研究資料はどうしたの?
勝手に片づけて、捨てたんじゃないでしょうね」
「書斎にまとめておきました。」
書斎?
耀子は奥の部屋をのぞいた。
そこにはバラバラに あらゆる場所に散乱していたはずものが
きれいにまとめられ、分類まで耀子の考えどおり並んでいた。
「先にお風呂はいかがですか?おつかれでしょう?」
リュージに言われるまま、久しぶりに湯につかった。
入るとすぐに洗濯機の回る音が聞こえた。
そういえば、山ほどあった洗濯物が消えていた。
「あいつ・・・洗ったんだ」
そう思った時、リュージがロボットとわかっていながら
顔にほてりを感じた。
風呂から上がるとルームウェアが用意されていて、
それを着てダイニングに入ると、
耀子の来るタイミングがわかっていたように、
ワインの抜く音がした。
耀子は自分以外の者が作った食事を久しぶりに食べた。
それは遠い日、母が作ってくれたように、
愛情が感じられた。
ロボットの作ったものに愛情を感じるなんて
おかしな話だ。
しかし、十二の時から父と離れて暮らしてきた耀子には
不思議と温かく感じられた。
ありがとうございました(≧▽≦)
ある独白#9我が永遠の鉄腕アトムに捧ぐ
最新作「駒草ーコマクサー」
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
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10へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/nbd0685474e77
#1最初からは、こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/nb5ab031cb177
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