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カオル #7
「晃二のおねえさん?わ~!きれいな人!」
柚季は はしゃぐように言うと 急にあらたまって
「晃二と同じクラスの宮野柚季(みやの ゆき)です。
今日は晃二にお誘い受けちゃって、来ちゃいました。」
と照れくさそうに言った。
お誘い受けたってなんだよ。
誘った覚えないぞ。
それに 呼び捨てかよ。
いつ そうゆう仲になったよ。
しかもカオル、なんで今 出てくるわけ、
女装のままで・・・。
晃二が頭をおさえながら首を振っていると
いつのまにかカオルが柚季を家に招き入れていた。
晃二は戸惑いながらも、柚季をリビングに通した。
カオルがかいがいしくコーヒーを入れてくれて、
三人でテーブルを囲んだ。
「晃二にこんなかわいいガールフレンドがいたなんて、
知らなかったわ。」
カオルはすっかりアネキ気どりだ。
「いやだ~ガールフレンドなんて・・・
もっと深い関係かも~~なんてね!」
柚季はけらけら笑って冗談とも本気とも
つかぬ口調だ。
カオルは、ふ~ん というように横目でちらりと
晃二を見た。
晃二は小刻みにフルフルと首を振って否定した。
これじゃあまるで 不倫相手が家を訪ねてきたみたじゃないか。
よ~し、こうなったら はっきりさせてやる。
「あのさ、宮野さん。傷つけるようで悪いんだけど・・・。」
柚季が言葉をさえぎった。
「いやだ、宮野さんだなんて、いつもみたいに柚季って呼んでよ。
お姉さんの前で照れてるの?」
晃二の頭の中でプチッと音がした。
「いいかげんにしてくれないかな。」
晃二は思わず声をあげた。
「俺は宮野さんとあまり話したこともないし、
今日誘った覚えもない。
家を教えたこともないし、
どうしてここにいるのかすら、わからないよ!」
ありがとうございました(; ・`д・´)
カオル #8へ続く
カオル#7
最新作「駒草ーコマクサー」
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
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