カオル #3
「わかったよ、やっぱ似合わね~よな。」
女装のまま、カオルはいつもの口調にもどった。
「ま、この格好は趣味っていうか、ストレス解消かな。
一回やってみたら、おもしろくなってさ。
でも、なんでだろうな。
こうしてると、いつのまにかオネエ言葉になるんだよなぁ。
杉原さんのことも、名前で呼びたくなってさ。」
言葉がもどっても、晃二はドキドキしたままだ。
いや、女装してなくたって、
いつもカオルにときめいていた。
はじめて会ったときから・・・。
「杉原さんは晃二の父親にしておくのは、
もったいないように良い人だし。」
カオルがつぶやくように言うと、
晃二は急に不機嫌になった。
「悪かったね。」
晃二はプイと横を向いた。
カオルが来た時からの疑問が
むくむくともたげてきた。
そもそも父は何故カオルを連れて来たのか、
きちんとした説明は今も受けていない。
カオルが来てから、まず父は近くのコンビニに口をきいて
自分が保証人になってカオルを就職させた。
と いってもバイトなのだが、この一年
カオルは父の期待に答えるかのように
一日も休まず まじめに働いている。
近所には親戚の子を預かっている、と言ってるが
実際カオルは親戚ではない。
もしかして二人は人に言えない関係だとか・・・。
いや、父は堅物だが、カオルが相手なら
わからなくもない。
現にこの俺だって・・・。
晃二はぶるっと首を振った。
あぶない、あぶない。
あやうく危険な考えに走るところだった・・・。
「カオル・・・?!」
気がつくとカオルの顔が目の前にあった。
カオルは晃二のあごを指でつかんで、
顔をカオルの方に向けさせた。
ありがとうございましたΣ(・ω・ノ)ノ!
カオル #4に続く
カオル#3
最新作「駒草ーコマクサー」
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
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