Love's night #17
勢は更冴と一緒に死にかけたところを、たまたま通りかかった比留川に救われ、
比留川の知り合いの病院に入院した。
いわば比留川は、勢と更冴の命の恩人である。
しかし、命の恩人である比留川にも、当時の勢は簡単に心を開かなかった。
ひと月ほどの入院をへて退院間近になり、毎日のように顔を出す比留川に
勢は ぽつり ぽつりと 話し始めた。
「では あの子、更冴ちゃんといったかな。
あの子は キミの子なのか? キミは いくつなんだ?」
「十七・・・もうすぐ 十八になります」
勢は唇をかんだ。
比留川は間をおいて、話の整理をしようとした。
「つまり、こういうことだ。
今から一年ほど前、行きずりの、たぶん十歳くらい年上の女性と関係を持った。
そして、そのまま忘れていた。
ところが、最近になって学校の帰りに突然その女が現れて、
赤ん坊を押しつけて逃げるようにいなくなった。
手紙があって
『あの時の子供だから、育ててください。名前は更冴といいます。』
と 書いてあった。
キミは家に帰ることもできず、そのまま赤ん坊を連れて電車に飛び乗った。
見知らぬ土地で 金もなくなり 倒れてしまった」
勢は うなずいた。
ありがとうございましたm(__)m
Love's night #17
最新作「駒草ーコマクサー」
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
過去の五作品・無料メルマガ・ブロック解除など
HP/リザストはこちらから
いいなと思ったら応援しよう!
もしよろしければ、サポートしていただけると嬉しいです。いつも最後までお読みいただき、ありがとうございますm(__)m(*^_^*)