エンドレスヒールⅡ-3.11 #12あさみの場合
あの時、2010年の8月末、桃井の勧めによって入れた履歴書。
本当に、バイトの話が来るとは浅海は思っていなかった。
しかし、桃井と再び連絡が取れたこと、桃井が浅海を思っていてくれたこと、その気持ちは本当に嬉しかった。
そして浅海は その後の就職活動によって短期アルバイトとして,10月には障害者施設に就職した。
繁忙期のアルバイトだが、ヘルパーとしての資格を生かせることが一番の喜びだった。
施設は入所またはショートステイも行っていたが、アルバイトの浅海は夜勤は無かった。
土日祝日が関係無いシフト制だったが、月に20日、一日4時間。
アルバイトとしては、悪い条件では無かった。
さらに 浅海には、ヘルパーを勉強し始めた頃からの夢があった。
それは 「精神保健福祉士」になることだった。
一般に介護福祉士は、ヘルパーを取得し3年の経験で 受験資格を得る。
国家試験だから、もちろん試験に受からなければ、なれない。
介護福祉士は、短大などでも一定の勉強と実習をすれば、受験できる。
しかし、「精神保健福祉士」と「社会福祉士」は、四年制大学を出ないと、受験資格をもらえない。
「精神保健福祉士」は、介護福祉士や社会福祉士に比べて知名度は低い。
読んで字のごとし。精神面で障害・介護系の仕事だ。
浅海はネットで「精神保健福祉士」を取得する方法を検索した。
ヒットした大学は いくつかの福祉大学で、東京や大阪の大学の通信部だった。
通信部なので無試験で入学、学費も年間20万円前後だった。
仕事をしながら、スクーリングを含めて学べる大学。
しかも、スクーリングS県N市で行うところでないと。
入学手続きを 焦りながら気が付いた。
N市には T北福祉大学が、あることを。
2011年 6月12日(日)
続く
(ちなみに、6/12は防災の日。1978年に宮城沖地震が起こった日)
エンドレスヒールⅡ-3.11 #12あさみの場合
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
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