Love's night #12
いつのまにか 一年が過ぎようとしていた。
卒業を半年後に控え、プロポーズしたのはタカネの方だった。
初めて勢(せい)のアパートに行った あの日のように、夜遅く勢に 駅に送ってもらう途中だった。
あの時と同じように 母のいない更冴(さらさ)の話をし、更冴の気持ちがわかると言った。
「私、更冴ちゃんのママになりたいの。今度は本気よ」
勢は答えられなかった。
「勢も私も、もうすぐ卒業するよね。私、うまくいくと あの保育園に就職できそうなの。
勢も そろそろ 仕事決めなきゃ いけないでしょ?勢が きちんと就職が決まってからでいいいの。
パパに会ってくれない?もちろん、更冴ちゃんも一緒に。
入籍は卒業してからになると思うけど、私には勢が必要だし、更冴ちゃんのママになりたいの。
勢には 私は、必要じゃない?」
「そんなことは・・・」
「それとも、全部遊びだった?」
「違う!」
勢がむきになって強く否定した。タカネが抱きついてきた。
「良かった。私のひとりよがりじゃないのね。
勢は更冴ちゃんのことで、絶対自分から言ってくれないと思ったから。
すごく 勇気 いったんだから」
タカネがそう言った時、勢はいじらしさに抱きしめ返していた。
そして それが、タカネからのプロポーズの答えになってしまった。
勢の就職は この秋にきまり、まだ花が終わらないうちに、タカネの家を訪れることになった。
タカネは最初 父の予定を調べ、勢が合わせられるとわかると、
勢と更冴が来る日の朝、父に話した。
タカネにしても、この結婚が 何の障害もなく 許されるとは 思っていなかったからだ。
ありがとうございましたm(__)m
Love's night #12
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#13へ続く
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#1最初から
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