トンニャン最終章#18 大天使ガブリエル
※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「リジュの巻」の次、「ガブリエルの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。
「アテナも処女神。もっと手が届かない」
「あら、清らかなプラトニックの愛も、あると思うわ」
「男だと思ってないな」
「思ってるから言ってるの。いつも、想っていたから」
ウリエルは、ふと微笑んだ。
「行こう。アテナの力で、まだまだ助けられる人々がいるはずだ」
「えぇ、その輝く光でもね」
*********
「ミカエル様?」
「クビドか。わたしでも見わけがつかぬほどだな」
「そのお姿は?」
「これか、これは軍神マルスとしての戦いの姿だ。ルシファーと戦った時の姿でもある」
「父上と?」
「リオール。よく、ここまで天使の力を身につけたな。たとえ力があっても、使いこなせないと、それは持っていないと同じだ。いったい、いつ・・・」
ミカエルは思いついたように言葉を切った。
「・・・・そうか。二人で会っていた時だな。その時、天使としての修行をしていたのか」
「会っていたのを、知っていたのですか?」
「あぁ、おそらく初めから」
「ミカエル様?」
「おぉ、チェリーか。隣にいるのはコーラか。よく似ているな」
チェリーとコーラは顔を見合わせた。
「似ているって?」
いつのまにかラファエルが、近くに来ていた。
「ミカエル、何やってるんだ?マルスにまでなって」
「もともとの姿に戻っただけだ」
ラファエルは納得しかねる顔をしたが、さらに質問した。
「似ているって、何を言ってるんだ?」
「コーラさ。両親に似ている、と言ったんだ」
「ラファエル、おまえは自分だけしか知らないと信じていたんだな。」
「ごめんなさい。ほかの天使は記憶を消して騙せても、私たち四大天使は、騙せない。全て知っていたのよ」
いつのまにか現れた、ウリエル・ガブリエルも口添えする。
「ウリエル、ガブリエルまで!ガブリエル、おまえまで戦いの女神アテナになっているのか?」
「そう、これは戦いだからね。」
「チッ。わかったよ。コーラのことも、おまえたちのことも」
「ラファエル、わかったらグズグズしてられないわ。世界中の神々が動いている。私たちも負けられない」
「競争するわけじゃない。自分たちの力を出し切るだけだ」
「ま!ミカエルの言うとおりね」
「行くぞ!」
ウリエルの光が矢のように飛んでゆく。
何人助けられる。そんなことは、わからない。出来る限り。出来ることをする。力、尽きるまで。
続く
ありがとうございましたm(__)m
トンニャン最終章#18 大天使ガブリエル
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次回トンニャン最終章#19 ガブリエルへ続く
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