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子白雪姫(ちょっと不条理#9)

昔 昔 ある国の ある森に

美しい白い雪のような娘がおりました

名前は 子白雪姫

その名の通り 色の白い女の子です

子白雪姫は毎日森で木の実を取ります

たくさん木の実が必要

そして 家に帰ると

狭い狭い部屋に姉妹でぎゅうぎゅうで眠るのです

子白雪姫、今日は掃除当番でしょ」

「は~い」

子白雪姫は姉妹で当番制で仕事をします

木の実を取る者 

掃除する者

料理を作る者

洗濯する者

木を切りに行く者もいます

しかし 子白雪姫は まだ力が無くて 木が切れません

「おまえは いつになったら 役に立つんだい?」

大きな姉たちは言います

誰に似たのか 体の大きい姉達もいます

子白雪姫は とうさまに似てるのね」

中くらいの姉が言います

子白雪姫は 末っ子

7人姉妹の末っ子

身体だけ見ると 子白雪姫は小人の様

「ただいま!」

「とうさん、おかえり!」

姉たちは口々に父親を迎えます

でも 子白雪姫は 誰が父親か わかりません。

だって 本当は姉達だって 誰かわからないのです。

7人のとうさん達が席に座り

7人の子白雪姫の姉妹が座り

最後にが座り お祈りしていただきます。

*****************

「ふう・・・」

白雪姫は ため息をつきます。

子白雪姫は 誰に似たのかしら 

小さくなければ いつか白馬に乗った王子様に巡り合うかもしれないのに・・・

いや・・小さすぎる

小人の父親もその子の 子白雪姫

出来なることなら

待ち焦がれた王子様に 誰かを嫁がせて・・・

**白雪姫の妄想**

来るはずだった私の未来

オウジサマ

あなたは とうとう来なかった

私は 今では夫が7人 子供が7人

大家族になりました

でも・・・あなたは もう 来ないのでしょうね

せめて

7人の子供たち中で

一人くらいこの森を出て暮らしてほしいのに・・・

***************************

(ひっひっひっ やっと見つけたわい。もう何年も何年も探して、やっと見つけた)

「おじょうさん 」

子白雪姫は振り返ります

(おや、こんなに小さかったかの?しかも 今も若々しいなんて!)

「なあに おばあさん」

老婆はリンゴを差し出しました

(必ず成功させる 私が一番美しいと鏡に言わせる

子白雪姫は 疑いも見せず リンゴにかみつこうとしていまいした

終わり

ありがとうございましたm(__)m

子白雪姫(ちょっと不条理#9)


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