女王様という仕事

「え!オスを鞭でしばき回してお金を貰えるなんて、そんな夢のような仕事があるのか!!✨」

そんな最低な動機で始めた女王様という職業。

しかしこれまでの人生の点と点とが繋がって
線になるような感覚で

30年生きてきた伏線回収のような
そんな感覚。

私は痛い時、痛みに救われてきた。

苦しくてどうしようもない時
縛られていて動けない時
追い詰められて逃げ場がない時

苦しい時、明るくポップなものは
私を救ってはくれなかった。
むしろ攻撃性の高い存在でしかなかった。
「お前はダメだ」と説教されているような感覚さえあった。
身体が受け付けない。

そんな時に
救ってくれるとまでは言わないけれど
寄り添ってくれたのは
別の痛みや苦しみだった。

あの時、安くて強い酒片手に
深夜のベランダで爆音で聴いた鬱曲みたいに

汚れたままの身体で
真っ暗な部屋で観た戦争映画みたいに

癒やしたいなと思うんだよ。

生きてるうちはさ
苦痛がゼロになることなんてないでしょ?

痛みや苦しみを完全に避けたいのなら
死ぬしかないもんね

SMは生きていく人のためのものだよね

痛い時には痛みを
苦しい時には苦しみをあげたいと
そう思うんだ。

どうしようもなさを
恥ずかしさを
情けなさを
惨めさを
たくさんの愛を込めて笑いたくて。

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